不安障害

ふあんしょうがい

最終編集日:2022/3/10

概要

過度な不安を感じるあまり社会生活に支障をきたす症状の状態です。

不安を感じる対象はさまざまで、不安でたまらなくなると、勉強や仕事が手につかなくなります。この病気にはパニック障害、全般性不安障害、恐怖症などのタイプがあり、症状を悪化させないためにも、早い段階で治療を始めることが大切です。


原因

原因はまだ明らかになっていませんが、元々の気質や遺伝的な要因、ストレス、家族歴や脳機能障害など、いくつかの要因が相互に絡み合って発症するといわれています。

脳内では、セロトニンのバランスが悪くなることも原因のひとつとされています。神経伝達物質であるセロトニンには精神を安定させる役割があり、その働きが弱くなると不安を感じやすくなるのです。


症状

精神的な症状には、以下のようなものがあります。

・疲れやすい

・集中力がない

・いつも緊張している

・小さなことが気になる

寝つきが悪い

・人と会うのがおっくうになる

・イライラして怒りっぽくなる


身体的な症状では、動悸、頭痛、めまい、ふらつき、筋肉の緊張やしびれ、便秘、下痢、頻尿などがあります。

また生活面でも、外出ができない、1つの行動に時間がかかる、人前で発言ができないなど、社会生活を送るうえでの支障をきたします。


さらに不安障害を細かく分けると、不安を感じる対象が特定のものに限られている「恐怖症」、不安を感じる対象が特定されておらず、さまざまな事柄や状況に不安を感じる「全般性不安障害」、動悸や息苦しさ、発汗、ふるえ、吐き気、めまいなど、パニック発作をくり返す「パニック障害」、カフェインやアルコール、薬物などの摂取で不安が生じる「物質誘発性不安障害」などがあります。


検査・診断

不安を感じる状況や症状の出方などを聞き、最終的にはICD(国際疾病分類)やDSM-5などの診断基準に基づいて判定されます。それにより、症状が6カ月以上つづいている、身体的、あるいは精神的な症状が3つ以上あてはまるといった場合は、不安障害と診断されます。


また、原因となるほかの病気がないかを確認するため、血液検査、脳波検査、心電図、甲状腺機能検査などを行うこともあります。


治療

治療方法は、大きく薬物療法(薬による治療)と精神療法に分けられます。

●薬物療法

選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗うつ薬を使う場合と、抗不安薬を使う場合があります。

抗うつ薬は、服用してすぐに効果が出るわけではなく、飲みつづけることで少しずつ効果が現れてきます。

一方、“精神安定剤”とも呼ばれる抗不安薬は、即効性はあるのですが、眠気やふらつき、倦怠感、記憶力や集中力の低下などの副作用に注意が必要です。また、耐性や依存症、離脱症状といった問題もあるので、医師の指示に従って服用することが大切です。


●精神療法 

認知行動療法などで不安をコントロールしていきます。認知とは、ものの受け取り方や考え方という意味です。人はストレスを感じると物事を悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでしまいます。そこで、認知行動療法を用いて考え方のバランスをとり、ストレスに上手に対応できる心の状態をつくっていきます。

いずれにしても、不安障害の治療は完全に不安をなくすというわけではなく、生活に支障をきたしている症状を緩和して、日常生活を送れるようにすることを目標とします。


セルフケア

療養中

不安障害は、症状が弱くなったり強くなったりをくり返す病気です。ストレスによって症状が悪化しやすくなるので、ストレスはため込まず、上手にコントロールしていくことが大切です。

また、不安を紛らわすためにアルコール依存症になる例もありますので、つらくなったら主治医に相談するなど、ため込まずにあせらず気長に治療をつづけましょう。

監修

赤坂溜池クリニック 院長

降矢英成

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