パニック障害
ぱにっくしょうがい

最終編集日:2023/1/6

概要

突然、動悸や息苦しさなどの強い症状に襲われ、いわば「パニック(混乱状態、恐慌状態)」に陥るのがパニック障害です。精神医学的には、不安障害のひとつに分類されています。人口の1~3%がかかり、生涯有病率(一生の間にかかる確率)は1,000人あたり6~9人、女性のほうが男性の2倍発症しやすいといわれています。

原因

パニック障害にはセロトニンやノルアドレナリンなどの脳内神経伝達物質の関与が指摘されていますが、原因はまだ明らかになっていません。パニック発作は予期しないときに起こりますが、過労やストレス、睡眠障害、生活リズムの乱れなどがきっかけになることが多いようです。

症状

突然、パニック発作に襲われます。症状として、動悸、息苦しさ、めまい、冷や汗、吐き気、震え、胸痛などが現れ、通常、30分~1時間程度つづきます。パニック発作は予期しないときにくり返し起こります。症状が強いため「死んでしまうかもしれない」と恐怖感を抱くことも珍しくありません。

さらに、また発作が起こるのではないかという「予期不安」をもつようになり、多くは「広場恐怖症」を伴います。広場恐怖症とは、発作につながるかもしれないという不安から、電車やエレベーターなどの逃げられない空間を避ける、開けた広い場所には行かない、閉鎖空間を避ける、人ごみを避けるなどの症状を現すものを指します。これらの症状が強くなって、生活に支障をきたすようになったら、治療の目安とされています。

検査・診断

問診の後「DMS-5精神疾患の診断・統計マニュアル」などに基づいて診断されます。①パニック発作があるかどうか(動悸、発汗、震え、息苦しさ、めまい、抑制力を失う恐怖感などの13の症状のうち4つ以上が突然、同時に起こる)、②パニック発作の後、1カ月間に予期不安、あるいは発作を回避する行動(電車に乗らないなど)のいずれかがみられたか、③広場恐怖症を伴うか、④症状が持続して6カ月以上経ち、生活に支障をきたしているか、などが診断の目安とされています。

また、動悸や息切れ、めまいなど、からだの症状が器質的なもの(実際に臓器などに異常があって起こるもの)でないかどうかの鑑別診断や、うつ病やほかの不安障害の合併がないかの診断も重要です。

治療

治療は、精神療法的アプローチ(認知行動療法、曝露療法など)と薬物療法が行われます。

中心になるのは精神療法的アプローチです。まず、症状を怖がるあまり神経質になりすぎることや、最悪をイメージすることが発作の引き金になるという悪循環があること、そして、発作は必ず治まること、パニック発作で死に至ることはないと理解するよう努めます。そのうえで、発作を起こすかもしれないと恐れる行動(電車に乗るなど)を少しずつ実践して、必ず発作が起こるわけではないことを体験していく曝露療法などを行います。

また、発作の誘因となるストレスを軽減するために、リラクセーション法を行うこともあります。

薬物療法は、予期不安や広場恐怖症を軽減し、パニック発作を起こさない目的で、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)や抗不安薬などが用いられます。

セルフケア

療養中

パニック障害は治療に時間がかかるケースも少なくありません。パニック発作の頻度を少しずつ減らすことを目標に、焦ることなく治療をつづけましょう。

自己判断で薬の用量や用法を変えない、過労やストレス過多にならないように気をつける、睡眠や休養を十分にとる、生活リズムを崩さないなどのセルフケアも重要です。

監修

赤坂溜池クリニック 院長

降矢英成

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