WEB版

統合失調症
とうごうしっちょうしょう

最終編集日:2026/4/20

概要

統合失調症は、入ってきた情報を脳のなかで正しく処理できなくなり混乱が生じる病気です。おもに思春期から20歳代という若い人に発症しやすい特徴があります。

多くは薬による治療と精神科リハビリテーションで症状が改善しますが、放っておくと回復がむずかしくなります。重症化を防ぐためには、できるだけ早く精神科を受診して治療を開始することが大切です。

原因

統合失調症の原因はひとつではなく、遺伝的な要因や脳の機能異常、環境要因などが複雑に絡みあって発症すると考えられています。

例えば統合失調症になりやすい素因をもっている人が、人間関係のストレスや、就職や結婚など、人生の転機となる環境の変化がきっかけで発症することがあります。

ドーパミンやグルタミン酸など、脳内で情報を伝える複数の神経伝達物質の働きが乱れ、それらが影響し合うことが関係していると考えられています。

症状

統合失調症の症状は、大きく「陽性症状」と「陰性症状」の2つに分けられます。


●陽性症状

おもな症状は幻覚や妄想です。周囲の人には聞こえない声が聞こえる(幻聴)、ないはずのものが見える(幻視)、例えば誰かに嫌がらせをされているといった誤った確信(被害妄想)、自分には関係ないことを関係あると思い込む(関係妄想)などが起こります。これらの症状があっても、本人には現実のこととして感じられているため、自分が病気だと自覚することができません。また、ぶつぶつと独り言を言ったり、考えがまとまらず支離滅裂で何を話しているのかわからなくなったりすることもあります。


●陰性症状

意欲が低下する、感情表現が少なくなる、人とかかわることを避け家に引きこもるなどの症状がみられます。


陽性症状と陰性症状のほかに注目されるのが「認知機能障害」です。記憶力や判断力などが低下し、学校や職場をはじめ、社会生活を送るうえでさまざまな困難が生じるようになります。


検査・診断

いつからどんな症状があるか、持病や過去の病気、服用している薬などの問診が行われます。それらを専門医が診断基準にあてはめて診断します。その際、症状がほかの病気によるものでないかを確認するため、血液検査、尿検査、脳波検査、頭部CT検査、頭部MRI検査、髄液検査などを行うこともあります。

薬の副作用で統合失調症に似た症状が現れることもあるため、内服している薬があれば、正確に医師に伝える必要があります。

統合失調症の特徴として、症状が進行すると明らかに異常が出ているにもかかわらず、本人には病気であるという自覚(病識)が生じにくいことがあります。本人が受診を拒否する場合は、相手の立場を十分に尊重したうえで、できるだけ根気よく説得を行うことが大切です。


治療

統合失調症の治療は、薬物療法(薬を使った治療)と精神科リハビリテーション(心理社会療法)を組み合わせて行います。


●薬物療法

抗精神病薬(統合失調症治療薬)を中心に治療を行います。現在は副作用が少ない第二世代抗精神病薬(非定型抗精神病薬)がおもに使用されます。

副作用として、眠気、体重増加、手のふるえ、落ち着きのなさなどが現れることがあります。

症状に応じて、抗不安薬や睡眠薬、気分安定薬などが併用されることもあります。


●精神科リハビリテーション

社会生活を送る力を取り戻すために、入院や外来でリハビリテーション(社会復帰訓練)を行います。病気や治療についての知識を身につけて、その対処法を学ぶ心理教育や、社会生活や対人関係の能力を回復させる生活技能訓練、就労支援などの社会的サポートなど、病気の状態や生活スタイルにあわせて、さまざまな方法で治療・支援が行われます。

患者さん本人を支え、家族のケア能力を高めることによっても治療効果が期待でき、それが再発予防においても重要なポイントとなります。

セルフケア

病後

統合失調症は、服薬をやめると2年以内に約80%が再発するといわれています。長期にわたって薬を飲み続けるのは大変ですが、きちんと続けていると再発のリスクを低く抑えることができます。再発してしまったときの症状も、薬を飲んでいなかったときに比べて軽くすむということもわかっています。症状が落ち着いているからといって、自己判断で服薬を中断することのないようにしましょう。

Xで送る
LINEで送る
Facebookで送る
URLをコピー

監修

和クリニック

前田佳宏