神経症(ノイローゼ)しんけいしょう・のいろーぜ
最終編集日:2023/1/12
概要
神経症はストレスや心配、不安など、継続する心的な要因があって発症します。以前は総合的に「神経症」という名称が使われていましたが、現在はより適切な診断・治療のために「不安障害」「心気症」「強迫性障害」など、細分化された病名が用いられています。
原因
心的なストレスや不安などが原因になります。脳内の神経伝達物質であるセロトニンの関与が考えられていますが、なぜストレスがあると神経症を発症するのかは、まだ明らかになっていません。神経症になりやすい性格が指摘されていて、感受性が強い、神経質、心配性、完璧主義、几帳面、内向的、頑固、潔癖症、執着しやすい、などが挙げられています。
症状
細分化されたそれぞれの症状として、次のようなものが挙げられます。
●不安障害(不安神経症)……はっきりとした対象のない、漠然とした不安を強く感じ、動悸、頭痛、めまい、便秘・下痢などの身体的症状が現れます。また、高所恐怖、広場恐怖、対人恐怖などを起こす恐怖神経症や、パニック発作を起こすパニック障害も不安障害に含まれます。
●強迫性障害(強迫神経症)……例えば何度手を洗っても気が済まずに手洗いをくり返す、外出時にカギをかけたかどうか心配で何度も戻る、4や9など不吉と感じられる数字を徹底的に避けるなど、冷静に考えれば意味のない考えや行動をやめることができません。
●ヒステリー性神経症(解離性障害)……回避できない・解決しづらい大きなストレスから自分の意識や記憶、感覚をコントロールできず、健忘や離人症、手足を動かせないなどの症状が現れます。
●心気症……原因となる病気がないにもかかわらず「自分は重い病気である」という考えにとらわれて、頭痛、胃痛、動悸、倦怠感など、さまざまな症状を訴えます。
●気分変調障害(抑うつ神経症)……軽いうつ状態が1日中つづきます。不安、恐怖、倦怠感、やる気のなさ、イライラなどの症状が現れます。
検査・診断
問診のほかに、神経症の評価として、ハミルトン不安評価尺度(HAM-A)、Yale-Brown 強迫観念・強迫行為尺度、CMI健康調査表、DSM-5などを用いて確定診断をします。うつ病、統合失調症、ほかの臓器の病気との鑑別が重要です。
治療
病態や症状にあわせて、薬物療法と精神療法が行われます。薬物療法では抗不安薬、SSRIなどの抗うつ薬を用います。精神療法として、カウンセリングや、集団精神療法、誤った思考パターンを理解し、修正するための認知行動療法などを行います。
監修
赤坂溜池クリニック 院長
降矢英成
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