アレキシサイミア

あれきしさいみあ

最終編集日:2022/3/11

概要

アレキシサイミアは「失感情症」とも呼ばれ、心身症やうつ病とも深く関係しているといわれている性格特性の概念です。

「感情の変化を失った状態」ではなく、あくまでも「感情を認識・表現することが困難な状態」「感情に気づきにくい状態」を指します。自分の感情をうまく言語化できず、気づかないうちにストレスが蓄積したりすることから、うつ病や依存症などになりやすいとされています。


原因

ストレスや家庭環境、生活環境、遺伝などが原因のひとつとして挙げられますが、性格的な要因が強いきっかけになっているともいわれます。

まじめで責任感の強い人、几帳面で神経質な人などがアレキシサイミアになりやすい性格特性とされ、気づかないうちにストレスをため込んでいることがあるようです。

また、表現力の問題ではなく感情を認識・表現することが困難で、想像力や空想力の欠如を示す状態が生じることから、論理的思考をつかさどる左脳と感覚的思考を担う右脳とをつなぐ脳梁の機能不全、右脳機能不全(ミラーニューロンの発達不全)とも考えられています。


症状

アレキシサイミアの具体的な症状としては、「他者とのコミュニケーションが苦手である」「他者の気持ちが伝わらない」「泣いているのに自分が泣いているという実感がない」などが挙げられます。

例えば「自分は今、怒っている」というような喜怒哀楽の感情に気づいたり、言葉で表現したりすることが苦手なため、それが気づかぬうちにストレスとなって蓄積されます。感情が認識されない代わりに、頭痛や耳鳴り、胃痛、呼吸困難、皮膚炎、倦怠感といった不調がからだに現れることがあります。

さらに、高血圧や胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、気管支ぜんそくなどといった心身症へとつながります。

また、ストレスをストレスと認識できないため薬物に依存したり、過食や拒食をくり返したり、気分変調症や境界性人格障害などといった疾患を発症することもあります。


検査・診断

アレキシサイミアは病気ではなく性格特性です。自分ではその感情特性に気づかないことが多いので、周りの人が会話などから違和感を感じて受診につながるケースもあります。

検査では、左右大脳半球のいずれか、あるいは両方の機能に問題がないかどうか、脳を調べることがあります。


治療

原因がまだ解明されていないため確立された治療法はありませんが、精神療法が用いられるケースが多いようです。

アレキシサイミアの治療は、まず自分の性格特性を受け止めることが大切です。しかし、本人に自覚症状がない場合も多く、うまく気持ちを伝えられないため言語によるカウンセリングのみでは治療が進みにくいことがあります。

からだへのアプローチとしてリラックスできる呼吸法を取り入れたり、自己催眠法である自律訓練法を行ったりして、緊張をやわらげストレスを緩和していき、からだの不調の改善をめざします。

また、感情の認識を高めるための精神力動的精神療法や、患者同士で感情を認識し合う集団療法も有効といわれています。


セルフケア

療養中

自分にアレキシサイミアという性格特性があると自覚することで、感情や心の変化を認識しやすくなっていきます。

日常では意識的にリラックスできる時間をもつように心がけましょう。勉強や仕事の合間に休憩をはさんだり、ストレスから距離を置いたりすることも必要です。

また、好きなジャンルの絵本やマンガを読むこともおすすめです。絵本やマンガはセリフや表情から、登場人物の感情を視覚的に理解しやすくなっています。物語を読むことで、感情の表現に気づくきっかけにもなります。もちろん、読書が好きなら小説でもかまいません。自分に合った方法で感情に触れる体験を増やしていくといいでしょう。


監修

赤坂溜池クリニック 院長

降矢英成

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