起立性調節障害
きりつせいちょうせつしょうがい

最終編集日:2023/1/26

概要

起立性調節障害(OD)は自律神経の機能が低下して、循環調節機能が障害される病気です。10~16歳に起こりやすく、中学生の約10%に認められるといわれます。起立直後性低血圧、体位性頻脈症候群、血管迷走神経性失神、遷延性起立性低血圧の4つのサブタイプがあり、社会的・心理的因子が関与することから、心身症に分類されています。長期に及ぶ重症のケースでは、不登校状態やひきこもりなどにつながることもわかってきました。

原因

自律神経の機能障害で、血液循環の異常が起こることが原因とされています。通常、起床時から徐々に活発になる交感神経が、ODでは約6時間後ろにずれて、日中に活動しにくく、夜間に元気な状態になるといわれています。なぜこのようなことが起こるのかはまだ明らかになっていませんが、遺伝的な要因も関与していると考えられています。

また、気候の変化、環境の変化(進学、転校など)、社会的・心理的要因(ストレス、緊張や不安、悩みなど)、心身の成長に伴う変化なども発症や症状の悪化に影響を及ぼします。

症状

立ちくらみ、めまい、立っていると気分が悪くなる、気を失う、朝起きられない、夜寝付けない、などのほかに、頭痛、倦怠感、食欲不振、動悸、吐き気などを訴えます。

午前中に症状が強いことが多く、学校への遅刻や欠席が増えてきます。逆に、午後から夜になると症状は治まり、午前中よりも活動的になります。

検査・診断

小児心身医学会ガイドラインでは、以下の身体的症状に3つ以上当てはまる場合にODを疑うとされています。①立ちくらみ、めまいを起こしやすい、②立っていると気分が悪くなる、倒れる、失神する、③入浴時、あるいは嫌なことを見聞きすると気分が悪くなる、④少し動くだけで動悸や息切れがする、⑤朝起きられず、午前中は調子が悪い、⑥顔色が悪い、⑦食欲不振、⑧時々腹痛がある、⑨倦怠感、疲れやすい、⑩頭痛、⑪乗り物酔いしやすい。

確定診断には、新起立試験を行います。これは血圧を測定しながら、仰臥位からからだを起こすなど体位を変え、血圧の変化や変化に要する時間をみるものです。同時に、4つあるサブタイプのどれに当てはまるかや、重症度も調べます。

睡眠障害や不登校、うつ、貧血、甲状腺機能低下症などとの鑑別診断も行われます。

治療

治療には、非薬物療法と薬物療法があります。

●非薬物療法……立ち上がるときには頭を下げてゆっくり行う、適度な運動を行う、弾性ストッキングの着用、1日1.5~2Lの水分摂取で循環血液量を増やす、塩分を多めに摂取する(1日10g)、生活リズムを崩さないようにして昼間は横になる時間を減らす、十分な睡眠をとる、など。

●薬物療法……非薬物療法を行いながら、低血圧治療に用いられるミドドリンという薬を服用します。

セルフケア

療養中

●周囲の理解

朝起きられない、だるいなどの症状の原因を、怠け癖や生活習慣の乱れ(夜更かし、ゲームやスマートフォンへの依存など)、勉強嫌いなどに求めがちですが、ODは自律神経の機能障害という身体的な病気であることを、家族や周囲の大人がしっかり理解して、学校と連携を取りながら、サポートすることが大切です。

監修

赤坂溜池クリニック 院長

降矢英成

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