Question

子どもが朝起きられないのは、起立性調節障害?

小学5年生の子どものことですが、毎朝あまりにも起きられない状況が続いています。1、2回声をかけるぐらいでは起きません。なんとか起こしても、目が覚めてすぐは機嫌も悪く、常にだるそうで、朝食はほぼ食べられません。早く寝たり、運動面も工夫していますが、あまり効果がありません。 すっかり起きてしまえば調子はよくなるものの、起立性調節障害ではないかと心配です。

女性/30代

2023/03/30

Answer

睡眠に関する研究では、小学生の理想的な睡眠時間は10~11時間とされています。このため、相談内容から睡眠時間の不足が要因の1つとして考えられると思います。

睡眠習慣を整えるうえで大切なのは、毎朝の起床時間を一定にすることと、朝日を浴びることです。まずは、学校の始業時間に合わせて起床・就寝時間を考えてみましょう。朝日を浴びる、朝食をとる、通学の支度をするという一連の流れとお子さんの年齢を考慮すると、20時頃までに就寝し、翌朝6時前後に起床するのが理想的です。


眠りのリズムを管理する「体内時計」は起床後に朝日を浴びることでリセットされ、1日の時を刻みます。このリセットが正しく行われず乱れたままの状態が続くと、眠りにつく時間にも誤差が生じてしまうことを覚えておきましょう。ベッドを日当たりのよい位置に移動する、毎朝決まった時間にカーテンを開けるといった小さな工夫により、改善がみられる場合もあります。一般的には思春期になるにつれ、夜更かしになる傾向があるため、今のうちに早寝早起きの睡眠習慣を整えておきたいものです。


また、体内時計をリセットしやすくするために朝食も欠かせません。遅くとも起床後2時間以内に食卓につき、主食、主菜、副菜をバランスよくとりましょう。慣れないうちはご飯やトーストだけでもかまいません。まずは朝食習慣をつくることから始め、卵かけご飯、さけフレークご飯、チーズやハムをのせたトーストなど、たんぱく質を摂取すると体内時計の正常化に役立ちます。

ちなみに、20~21時を就寝の目標とすると、夕食は18~19時にとるのが理想的です。早めに夕食を済ませることで、翌朝にほどよい空腹感を感じて目覚められるでしょう。


このほか、日中にからだを動かして適度に疲れることも睡眠習慣の改善に有効です。子どもは夜更かしの影響を受けやすいため、家族で一緒に生活リズムを見直していけるとよいですね。

ただし、こうした工夫を続けても改善しない場合はかかりつけの小児科へ相談することをおすすめします。状況に応じて、睡眠外来など専門科を紹介してもらいましょう。


最後に起立性調節障害について説明します。起立性調節障害は、起床時などに立ち上がろうとする際に脳の血流が一時的に少なくなり、思考力が低下する疾患です。おもな症状としては立ちくらみ、動悸、食欲不振、腹痛、全身倦怠、頭痛などがあり、特に午前中に症状がひどく、午後から夜にかけて回復するのが一般的です。小学校高学年から高校生ごろまでの子どもにみられ、女児に多い傾向があります。お子さんの場合は、目が覚めると活動できていることから、当てはまらないようにも思われますが、ご心配の点については小児科で相談されるとよいでしょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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