流産
りゅうざん

最終編集日:2022/7/24

概要

妊娠22週未満で胎児が子宮外に出てきてしまう状態を流産といいます。この時期の胎児は子宮の外では生きていけないため、死産となってしまいます。

全妊娠の8~15%に流産が起こるとされ、12週未満の「早期流産」が約80%を占めています。子宮の内容物が外に出てきている「進行流産」は、子宮の内容物がすべて排出される「完全流産」、子宮内に内容物の一部が残存する「不全流産」に分けられます。

子宮内で胎児が死亡しているのに自覚症状がないものを「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」と呼びます。


原因

早期流産の多くは、染色体の異常など、胎児側に原因があると考えられています。一方、妊娠12~22週で起こる「後期流産」は、子宮頸管無力症、子宮の形態異常、絨毛膜羊膜炎などの感染症など、母体側の原因によってひきおこされます。しかし原因不明のケースも多くみられます。

なお、高齢出産は流産のリスクファクターとされ、40歳以上の妊娠の流産の頻度は25~30%と高くなっています。


症状

出血と下腹部痛が現れます。

稽留流産では自覚症状はありません。妊婦健診の際の超音波検査などで胎児の死亡を指摘されて初めてわかります。


検査・診断

内診、経腟超音波検査、腹部超音波検査、血液検査(ヒト絨毛性ゴナドトロピン値:hCG値の測定)などで診断がつけられます。

症状が軽度で子宮口が開いていなければ流産の前段階である「切迫流産」として、経過をみます。症状が中等度以上で進行流産の状態になっていると、妊娠継続は不可能とされ、流産手術を考慮します。

診断には異所性妊娠(子宮外妊娠)や胞状奇胎などの絨毛性疾患との鑑別が必要です。


治療

流産の治療では、子宮内の胎盤や胎児などを完全に排出して、妊娠を終わらせることが重要です。


●早期流産(稽留流産を含む)

自然な排出を待つ待機的療法、あるいは子宮内の内容物を排出させる流産手術が行われます。流産手術はおもに掻爬(そうは)術と吸引法の2種類が行われています。

待機的療法、流産手術それぞれに次のような特徴があります。

・待機的療法

手術を受けなくて済みますが、何もせずに自然に子宮の内容物が排出されるのを待つため、妊娠終了まで時間がかかります。2週間後には75~90%が排出されます。突然の出血や腹痛が起こることがあり、最終的には緊急手術が必要になるケースもあります。

・流産手術

短時間で妊娠を終わらせられ、症状の改善も早く、日常生活への復帰が早いケースが多いです。手術の合併症として、子宮穿孔、子宮内容物遺残、卵管裂傷、感染などがあり、頻度は低いですがゼロではありません。入院期間は2日程度、手術時間は約30分です。


●後期流産(稽留流産を含む)

通常、手術は行わず、子宮収縮を促進して、胎児と胎盤などを自然に排出させる治療が行われます。


セルフケア

病後

子宮内の内容物がすべて排出されて妊娠が終了したら、1~2週間で出血は止まります。その後、1~2カ月で月経が再開されます。月経のリズムが戻ってきたら、次の妊娠が可能です。

なお、2~5%に流産をくり返す「反復流産」がみられます。また、3回以上流産をくり返したものを「習慣流産」と呼び、頻度は1%程度とされています。このような場合には、何らかの原因が隠れていないか精査してもらいましょう。



監修

小山嵩夫クリニック 院長

小山嵩夫

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