つわり
つわり

最終編集日:2022/1/11

概要

おもに妊娠初期に一過性に起こる吐き気や嘔吐、食欲不振をつわりといいます。早い人で妊娠5~6週頃に症状が始まり、妊娠7〜11週頃にピークを迎え、12〜16週頃に落ち着きます。

継続期間や症状の重さには個人差があります。出産直前までつわりがつづく人もいる一方、ほとんど症状がない人もいます。眠気やだるさ、イライラ、頭痛などもつわりの症状に含まれます。同じ妊婦でも第1子と第2子ではつわりの症状が違うことがよくあります。

原因

つわりの原因ははっきりわかっていませんが、妊娠による急激なホルモンバランスの変化、環境の変化などに対する不適応で起こるといわれています。また、ストレスも大きな影響を与えると考えられています。

症状

吐き気や嘔吐などの症状が一般的ですが、眠気、だるさ、頭痛、のどの渇き、食べ物の好みが変わる、においに敏感になる、などの症状もあります。空腹になると吐き気がする「食べづわり」もあります。

つわりは病気ではないので、治療の対象にはなりません。ただし脱水がひどい場合は、妊娠悪阻(にんしんおそ)という病名がつきます。つわりと妊娠悪阻の区別ははっきりとはしませんが、治療が必要になるほどの重いつわりを妊娠悪阻としています。5%以上の体重の減少、食べ物や水分がほとんどとれない、横になったまま起き上がれないといった症状がみられるときは早めの受診をおすすめします。

検査・診断

つわりがひどく重症の妊娠悪阻が疑われるときは、脱水や嘔吐が別の病気によるものではないかどうかを調べるために問診や検査が行われます。

治療

吐き気や嘔吐があっても、体重が増加していて脱水がなければ、とくに治療は行われません。

セルフケア

療養中

つわりの症状に応じて、以下のようなセルフケアを心がけてください。

●吐き気、嘔吐

母体が食事をとれていなくても、胎児にはちゃんと栄養が届いています。胎児のために栄養をとろうと思いつめず、食べられるものを少量ずつ数回に分けてとるようにしましょう。また、吐きすぎて脱水状態にならないよう、水やカフェインレスのお茶類、スポーツドリンクなどでこまめな水分補給を心がけましょう。

●食べづわり

空腹になると吐き気に襲われる食べづわりの人は、食べすぎに注意してください。糖質や脂質の多いものは避け、1回に食べる量を少なくするといいでしょう。

●においに敏感になる

お気に入りのアロマオイルをハンカチに垂らして持ち歩き、においが気になったときにかぐといいでしょう。ただし、シナモン、ジャスミン、セージ、フェンネル、レモングラスは妊娠中には適さないので注意してください。

●頭痛

できるだけ安静にしてやり過ごしましょう。妊娠中に市販の頭痛薬を飲むと、おなかの赤ちゃんに影響が出る可能性があります。痛みがひどい場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。妊婦でも飲める頭痛薬を処方してくれることがあります。

監修

JR東京総合病院 産婦人科医長

松浦宏美

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