会陰切開後の痛み

えいんせっかいごのいたみ

最終編集日:2022/7/26

概要

会陰とは、腟と肛門をつなぐ部分を指し、長さは3~5cm程度あります。経腟分娩時、会陰は20~25cmまで伸びるとされていて、十分に伸びた段階で胎児が出てくるなら問題はありません。しかし、十分に伸びていなかったりすると、会陰裂傷(会陰が裂ける)が起こり、皮膚や皮下組織が傷ついてしまいます。会陰裂傷のリスクが考えられる場合には、あらかじめ切開することにより、分娩がスムーズになり、会陰の傷が裂傷にくらべて回復が早い場合もあります。

最近はできるかぎり会陰切開を回避する病院が多くなっており、次のような場合のみ、行われます。①会陰が十分に伸びない、②胎児が大きい、③胎児の状態によって分娩を早く終わらせる必要がある、④吸引分娩や鉗子分娩が必要。

個人差はありますが、会陰切開後の局部の痛みは、分娩から1週間程度で軽くなり、1カ月後には治まることが多いようです。

原因

分娩時に会陰切開が必要と判断された場合、手術用のはさみで2~3cm切開(腟側を12時、肛門を6時とすると、5時、あるいは7時の方向に切ることが多い)・縫合したことが原因になります。

症状

分娩後、1~3日は局部が熱をもち、強い痛みがあります。子宮収縮の痛みと重なるため、痛みを感じやすい時期でもあります。4日目以降は徐々に痛みが軽減されていき、1カ月程度で痛みはほぼ感じなくなりますが、ちくちくした感じや違和感が残る場合もあります。

しかし、痛み止めを飲んでも軽減できない、会陰の辺りの引っ張られた感じなどの違和感が強い、肛門の辺りに圧迫感がある、尿意や便意に違和感があるなどの場合は、産後の血腫ができている可能性もあるので要注意です。


検査・診断

分娩後の視診で順調に回復しているか、診断されます。症状の強さなどで産後の血腫が疑われる場合には、血腫の部位を確認するために超音波や、CTなどの検査をすることもあります。

抜糸は退院時(分娩後6~7日)に行います。病院によっては溶けて体内に吸収される糸を用いるところもあり、その場合には抜糸は必要ありません。


治療

会陰切開後の傷は自然に治癒することが多いので、経過をみます。痛みが強い場合は、鎮痛薬や、傷口に塗る抗菌作用のある軟膏を処方することもあります。

血腫ができている場合、血腫の大きさによっては自然に治りますが、自然治癒がむずかしい、あるいは痛みが強く生活に支障が出る場合には、切開して血腫を除去します。


セルフケア

療養中

●痛みを和らげるセルフケア

局部に圧迫などの刺激を与えると痛みが強くなるため、円座クッションを用いる、就寝時は横向きで、脚にクッションなどを挟んで寝る、などがすすめられます。局部は清潔に保ち、傷の回復を促すために食事や睡眠を十分にとり、疲労に気をつけます。またできるだけ横になって、会陰部の血流をよくすることも傷の回復を早めることにつながります。

痛みが強い場合の鎮痛薬には、授乳中でも服用できるものがあります。必ず医師に相談して処方薬を用いるようにしましょう。痛みは我慢するよりも、育児や自身の回復に専念できるように、上手にコントロールするほうが賢明です。


監修

小山嵩夫クリニック 院長

小山嵩夫

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