Question

流産でショックを受けている妻への対応

妊娠中の妻が昨日検診へ行ったとき、赤ちゃんの心拍が止まっていると言われて手術をすることになりました。私ももちろんショックだったのですが、妻が受けたショックは量りきれず、昨日から何も食べません。「またすぐに赤ちゃんは戻ってきてくれるよ」と言ってはいるのですが、声をかけるたびに泣いてしまいます。

手術後どのように言葉をかけていいのか、どのような対応をしていけばいいのか悩んでいます。

男性/20代

2021/12/21

Answer

妊婦検診へ行かれたところ、赤ちゃんの心拍が止まっていると伝えられたのですね。

そのときの奥様とあなたの気持ちを思うと、とても言葉では言い表せない、ショックと深い悲しみに襲われたのではないかとお察しいたします。お二人のご様子が目に浮かんで、とても胸が痛みました。

その後、手術を受けられたと思いますが、経過はいかがでしょうか。


今回のように、心に大きな衝撃となる出来事が起こった場合、誰にとってもその出来事を受け入れることは大変困難なことです。

ご相談にありますように、どのように声をかけても涙になってしまう・・・、そんな悲しいお気持ちにすっぽりとおおわれてしまった状態にいらっしゃるのでしょう。

そんな奥様に対して、どのように言葉がけをすればよいのか、どのような対応をすればよいのだろうかと、日々寄り添われるあなたもさぞ悩まれていることでしょう。


一番身近にいてあげることができるあなたには、今はぜひ、ただ奥様のそばにいて、一緒に過ごす時間をできる限り持つように心がけていただきたいと思います。何か気のきいた言葉かけをしようとか、特別な対応をしようと考える必要はありません。混乱と悲しみの渦中にいらっしゃる奥様を見守り、「手術お疲れさま」「どこか痛かったりつらかったりするところはない?」と体をいたわる言葉かけで十分です。そして、もし奥様が何かお話したい様子があれば、うんうんと相づちを打ちながらじっくり聴いてあげてください。奥様が自分自身を責める言葉や、今後を悲観する言葉もあるかもしれません。それでも今は否定せずに「今はそのぐらいつらいよね」と受け止めてあげてください。


人は自分のつらい気持ちを少しでも感じ取ってもらえるだけで、少しずつ心が楽になり、安心感につながっていくものです。


ただ、食欲がなく、睡眠が充分に取れていない状態が2週間以上続くようであれば、体調を崩してしまいかねません。その際には、通院中の産科医に現状をご相談することをおすすめします。 心身がつらい状態が続くと、それが気持ちの落ち込みや悲観的な考えを増幅させてしまうことがあります。そんなときは無理をせずに、しばらくは薬の力を借りて心身を安定させることを優先してください。


また、大きなショックを受けたとき、その出来事を受け入れるプロセスは、人それぞれ異なります。例えば夫を亡くしたとき多くの方は、①「信じられない」という否認の気持ちが起こり、次に②「なぜ夫が‥」という怒りの気持ち、その後、③「夫を返してくれるなら、なんでもします」というような神様と取引きしたくなるような混乱した気持ちを経て、④「もう終わり、一人では生きていけない、生きていても仕方ない」等の憂鬱な気持ちが湧き起こり、強い悲しみに襲われ、そのつらい時期を乗り越えた後に、⑤ゆっくりと「それでもなんとか生きていこう」と自分の人生を見つめ直せることが出来る、といった経過を行きつ戻りつしながら、たどっていくことが多いと言われています。いつか奥様とあなたの傷が癒え、平穏な気持ちで過ごせる日がくるための、見通しとなれば幸いです。


最後になりますが、あなた自身のショックも大変なものではないかと想像しております。奥様に寄り添う気持ちを大切にしつつ、あなた自身のつらい気持ちを受け止める時間もぜひ大切になさってくださいね。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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