帝王切開

ていおうせっかい

最終編集日:2022/7/26

概要

通常の分娩は、胎児が産道を通り腟から出てくる「経腟分娩」と呼ばれる形態ですが、何らかの原因があって経腟分娩がむずかしい場合に行われるのが「帝王切開」です。腹部を切開して胎児を取り出す手術を指します。全分娩の約20%に帝王切開が行われており、高齢出産の増加などの影響もあってその頻度は増加傾向にあります。

検査・診断

あらかじめ帝王切開を選択して臨む「予定帝王切開」と、経腟分娩の予定が急に経腟分娩ができなくなって緊急に行われる「緊急帝王切開」があります。それぞれ次のような原因で、帝王切開が考慮されます。

・予定帝王切開=多胎妊娠(双子、三つ子など)、前置胎盤・低置胎盤、骨盤位、母体の骨盤の形や大きさによって経腟分娩がむずかしい、子宮筋腫などの手術の既往、重度の妊娠高血圧症候群、母体に心臓病や腎臓病などの持病がある、など

・緊急帝王切開=常位胎盤早期剝剥離、遷延分娩(陣痛周期が10分以内になった時点から、初産婦で30時間以上、経産婦で15時間以上経過しても分娩に至らないもの)、分娩停止(子宮口が全開大で陣痛がつづくにもかかわらず2時間以上、分娩が進行しないもの)、胎児の状態の悪化(心拍数低下など)、臍帯脱出、臍帯が胎児に巻きつく、など

治療

妊娠32週を過ぎたら、分娩日(手術日)を決定します。胎児が十分に成育している37~38週に手術になることが多いようです。手術前の検査として、血液検査、超音波検査、心電図、胸部X線検査などが行われます。前置胎盤などで出血が多くなることが予測される場合には、「自己血貯血」を行うこともあります。経過が順調であれば、手術前日に入院します。
緊急帝王切開の場合はその場で手術の決断をし、すぐに手術が行われます。
手術は局所麻酔のことが多いのですが、母体や胎児の状態によっては全身麻酔が選択されることもあります。下腹部を縦、あるいは横に切開して子宮を切開し、胎児を取り出します。予定帝王切開の場合は傷痕が目立ちにくい横切開が、緊急帝王切開では術中に腹腔内がよく見えて胎児を取り出しやすい縦切開が選択されることが多いようです。手術時間は30~60分です。緊急帝王切開の場合は、手術時間が長くなることがあります。術後は、硬膜外麻酔や神経ブロック、点滴、筋肉注射、坐薬などの鎮痛薬を用いて痛みのコントロールが行われます。
退院時期は通常、術後6~7日の病院が多いようです。緊急帝王切開の場合は長引くこともあります。


セルフケア

病後

●帝王切開後経腟分娩

帝王切開後の次の分娩では、経腟分娩を希望する人も少なくありませんが、帝王切開後経腟分娩(TOLAC)として、注意が必要な分娩になるとされています。

帝王切開時の子宮切開に伴い、子宮筋層に脆弱な部分がある可能性があります。そのため、次の出産でTOLACを行うと、横切開の場合0.2~0.7%に、縦切開などそのほかの切開の場合はさらに高率に子宮破裂が起こるとされています。子宮破裂が起きると、胎児の脳障害や死亡を招きます。

帝王切開の既往が1回だけである、横切開である、そのほかの子宮の手術既往がない、などの条件を満たした場合のみ、TOLACを選択できるとされています。その場合も緊急帝王切開や子宮破裂に対応できるような周産期センターでの分娩が必要となります。


監修

小山嵩夫クリニック

小山嵩夫

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