妊娠貧血

にんしんひんけつ

最終編集日:2022/4/20

概要

妊娠中は生理現象により血液量が増加するものの、血液中のヘモグロビンは減少し、薄まって水っぽい状態になります。全身に酸素や栄養分を運ぶ役割をするヘモグロビンの減少により、貧血症状が現れることがあります。さらに母体の鉄分は優先的に胎児に使われるため、妊婦は鉄分不足になる傾向があります。

全妊娠の20%程度にみられ、へモグロビン濃度(Hb)11.0 g/dL未満またはヘマトクリット33%未満で妊娠貧血と診断されます。治療は食生活の改善が中心ですが、症状によっては鉄剤が処方されることもあります。


原因

妊娠中は胎児に酸素や栄養分を送るため赤血球も増えますが、それとともに血液循環量が約1.5倍増えます。そのため血液は水っぽい薄い状態になります。妊娠を維持するために必要な変化ですが、貧血の症状をひき起こす場合があります。

妊婦の貧血の多くはこのような妊娠に伴う生理的な貧血ですが、鉄分が不足する鉄欠乏性貧血、葉酸欠乏性貧血または両者を合併している場合もあります。


症状

自覚症状がない場合もありますが、ふらつきや立ちくらみ、動悸、息切れ、疲労感などがおもな症状として挙げられます。貧血が進行すると、必要な栄養や酸素が行き届かずに胎児の成長を妨げる、分娩時に出血しやすい、産後なかなか回復しない、母乳が出にくいといった影響が出ることがあります。急速に重症化すると胎児死亡のリスクが高まることがあります。

症状がなくても、妊婦健診の血液検査で貧血を示すヘモグロビンの値(11.0g/dL未満)を意識しておくことは大切です。


検査・診断

血液検査でヘモグロビン濃度11.0g/dL未満、またはヘマトクリット33%未満となれば貧血と診断されます。

また、赤血球の大きさを示すMCV(平均赤血球容積)、赤血球1個に含まれるヘモグロビン量がわかるMCH(平均赤血球ヘモグロビン量)などで貧血の種類を判別します。


治療

妊娠時の生理的な貧血で軽度の場合は、治療の必要はありません。食生活の改善が中心になります。

セルフケア

予防

妊娠貧血では一日三食、たんぱく質や鉄分、葉酸を意識した栄養バランスのよい食生活を心がけることが大切です。

監修

JR東京総合病院 産婦人科 医長

松浦宏美

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