新型コロナウイルス感染症

しんがたころなういるすかんせんしょう

最終編集日:2022/1/11

概要

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年に発生し、全世界に感染が拡大した新しい感染症です。くわしい発生場所や原因はまだ特定されていません。

累計感染者数は世界全体で2億5千万人に、累計死者数も500万人を超え増加をつづけています。日本でも累計感染者数170万人、死者数1万8千人を超えました(2021年11月時点)。

原因となる病原体は「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」です。感染はせきや飛沫を介して広がり、「密閉・密集・密接(三密)」の空間が感染拡大をひきおこすと考えられています。

感染するとかぜインフルエンザと同様の呼吸器症状や高熱、下痢、嗅覚・味覚障害などの症状が現れます。とくに高齢者や糖尿病、心臓病などの基礎疾患をもっている人は重症化しやすいとされています。ただ、感染しても無症状や軽症のケースも多く、とくに若い人や子どもにその傾向が強く、こうした無症状や軽症の人からさらなる感染拡大が起こりました。

このウイルスに対するワクチン開発が世界中で進められ、これまでにない速さで複数のワクチンが開発されました。なかでも新しい遺伝子技術を使ったmRNAワクチンの開発はこれからの感染症対策にも大きな影響を与えることになりそうです。

ただ、世界中の感染拡大と感染者の急増によりウイルスに変異が起き、これが新たな感染拡大の原因になっています。現在、世界中で確認されている変異株はイギリス由来、南アフリカ由来、ブラジル由来、インド由来など実に4000種以上にのぼり、その数は日々増えています。

2021年の夏以降、世界的に感染者数の減少傾向がみられるようになっていて、日本でも8月下旬から感染者数は大幅に減少しています。今後もこうした減少局面がつづいていくのか、新たな変異株の出現などで再度感染拡大が起こるのかは不明です。

現在、日本では新型コロナウイルス感染症は「新型インフルエンザ等感染症」に位置づけられ、2類感染症以上の外出自粛の要請や入院勧告、指定医療機関への入院などの措置が行われ、無症状者についても同様の措置を行っています。

原因

原因となる病原体は「新型コロナウイルス(SARS-CoV2)」で、感染はせきや飛沫を介して広がります。感染した人のせきやくしゃみ、会話中に出される飛沫やエアロゾル(飛沫よりさらに小さい水分を含んだ状態の粒子)を吸い込んだり、直接顔やからだを触れたりすることで感染します。換気が不十分で、人と人との距離が近く、混雑した空間つまり、「密閉・密集・密接(三密)」の空間で、感染リスクが拡大します。ウイルスが付いた手で、目や鼻、口などを触ることで感染することもあります。

症状

潜伏期間は1~14日(通常5~6日)で、おもな症状はかぜやインフルエンザと同様のせき、くしゃみ、発熱、全身倦怠感などに加え、頭痛、下痢、結膜炎、嗅覚・味覚障害などが起こることもあります。ただ、感染しても無症状や軽症のケースも多く、とくに若い人や子どもにその傾向が強いとされています。

高齢者や糖尿病、心臓病などの基礎疾患をもっている人は重症化しやすく、発症から7日前後で肺炎が悪化し酸素投与が必要となることがあります。さらに重症化すると、集中治療室(ICU)での治療、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を使った呼吸管理が必要になることもあります。

検査・診断

新型コロナウイルスの検査は「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」の3つに分けられます。PCR検査と抗原検査では「今感染しているか、いないか」がわかり、抗体検査では「過去に感染したことがあるか、ないか」「今抗体をもっているか、いないか」がわかります。

実際の診断では、鼻咽頭拭い液または唾液を使ったPCR検査、抗原検査が行われています。

どちらの検査でも「陽性」と判定されれば感染が確定します。ただし、「陰性」と判定された場合でも「絶対に感染していない」わけではありません。PCR検査の感度(検査で感染が正しく確認できる割合)は70%前後で、30%の人は感染していても陰性と出てしまいます。抗原検査の感度はPCR検査よりさらに低いと考えられます。

検査で感染が確認されると、呼吸状態を確認し(酸素飽和度を測定)、症状に応じて、胸部X線検査、胸部CT検査などを行い、重症度を判定し、その後の治療につなげていきます。

治療

新型コロナウイルス感染症に対する治療薬候補は多数あり、現在は対症療法とともにさまざまな薬が使われ効果が検証されています。

対症療法では、重症の患者さんや重症化リスクのある患者さんに対しては酸素投与や、重篤な状態に陥った患者さんには人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)を使った呼吸管理が行われます。

治療薬は、これまで中等症から重症の患者さん向けとして「レムデシベル」(エボラウイルス用の抗ウイルス薬)、「デキサメタゾン」(重症感染病に対するステロイド薬)、「バリシチニブ」(リウマチの抗炎症薬)の3つが認可されています。

そして2021年7月、軽症患者さん向けの「カシリビマブ」「イムデビマブ」という2つの中和抗体を組み合わせた治療薬が承認されました。抗体カクテル療法と呼ばれ、軽症の患者さんに使用できるため重症化の抑制につながると期待されています。

さらに現在、世界中でさらなる治療薬とともに、経口で使える治療薬の研究・開発が行われています。

セルフケア

病後

再度の感染を防ぐために、マスクの着用、手洗い、三密の回避など基本的な感染予防策を徹底します。

また後遺症にも注意が必要です。まだきちんとした定義はできていませんが、感染していると診断され、治療の有無にかかわらず感染時の症状が慢性的につづいたり、新たな症状が現れたりするのが後遺症です。せきやたんがつづく、息が苦しい、胸が痛むなどの呼吸器症状、下痢や腹痛などの消化器症状、疲労感や倦怠感、関節痛、筋肉痛などの全身症状と多岐にわたります。記憶障害、集中力の低下、不眠、うつなどの精神症状、さらに脱毛や味覚・嗅覚障害なども報告されています。こうした症状が長引く場合は医療機関に相談することをおすすめします。

予防

予防策としてもっとも効果が高いといわれているのが「ワクチン接種」です。日本での2回接種率は75%を超え(2021年11月14日現在)、3回目の接種も始まろうとしています。

毎日の基本的な感染予防策は、「適切なマスクの着用」「手洗いの徹底」「三密(密閉・密集・密接)の回避」などが有効と考えられています。

感染が疑われたら自治体や医療機関の新型コロナウイルス感染症の相談窓口に問い合わせて指示を受けます。できるだけ自宅から出ないようにし、14 日間は他者と接触しないようにし、職場、学校、公共の場には行かないようにしましょう。また家族とも1m以上距離を保つようにします。マスク着用、手洗いなどを行い、部屋の換気は十分に行います。

呼吸困難や胸の痛みなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関に連絡します。

監修

千葉大学病院 呼吸器内科 特任教授

巽浩一郎

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