糖尿病
とうにょうびょう

最終編集日:2021/12/21

概要

糖尿病は、血糖値(血液中に含まれるブドウ糖の濃度)が高い状態になる病気です。食事などで摂取された糖質は、ブドウ糖に分解され血液中に吸収されます。ブドウ糖はいろいろな臓器や組織でエネルギーとして使われますが、そのために必要なホルモンがインスリンです。インスリンが不足したり、効きが悪い(インスリン抵抗性が高い)と、使われなかったブドウ糖が血液中にあふれ、この状態がつづくと糖尿病を発症します。

原因

糖尿病のおもな原因は、インスリンの不足や働きが悪くなることです。糖尿病には以下のようなタイプがあります。

●1型糖尿病

インスリンを分泌する膵臓の機能に障害が起こり、インスリンが慢性的に不足することで発症します。日本では糖尿病患者の5%以下が1型糖尿病です。

●2型糖尿病

インスリンを分泌するタイミングが遅れたりインスリン自体の働きが悪くなったりして発症します。糖尿病患者の多くが2型糖尿病です。食べすぎ、高脂肪・高カロリーの食生活、運動不足やストレスが多い生活、肥満などが誘因になることが多いですが、遺伝の要素もあります。インスリンを分泌する膵臓が疲弊して発症します。

●その他

妊娠をきっかけに発症する妊娠糖尿病、遺伝性の糖尿病、膵臓や肝臓の病気が原因で起こる糖尿病があります。

症状

糖尿病は、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。血糖が高い場合は、のどがかわく、水をよく飲む、尿の回数が増える、体重が減る、疲れやすいなどの症状が出る場合もありますが、多くの場合は気づかないうちに進行し、糖尿病と診断されたときには合併症をひき起こしていることも少なくありません。

糖尿病で怖いのは合併症です。血糖値の高い状態がつづくと、血管に負担を与えます。とくに細い血管が傷つきやすく、目や腎臓、神経などにある細い血管が傷ついて発症するのが糖尿病性網膜症糖尿病性腎症糖尿病性神経障害の3大合併症です。きちんと治療しないと、失明や人工透析、足の壊疽(えそ)による切断など重篤な状態に陥ることがあります。また糖尿病は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患などのリスクも高めます。

検査・診断

●おもな検査

空腹時の血糖値やHbA1c値(過去1、2カ月の血糖値の状況がわかる)を調べる血液検査、尿糖検査、75g経口ブドウ糖負荷試験(75gのブドウ糖が入った液体を飲み、一定時間経過後の血糖値の変化を調べる)などが行われます。

空腹時の血糖値が126mg/dL以上、HbA1c値が6.5%以上のどちらかに該当すると「糖尿病の疑いあり」で、両方に該当すると「糖尿病」と診断されます。


●合併症が疑われる場合の検査

網膜の異常を調べる眼底検査、眼圧検査、腎臓機能や動脈硬化を調べる検査などが行われます。

治療

糖尿病治療の目的は「血糖値のコントロール」です。食事療法と運動療法が治療の基本となります。それでも血糖値のコントロールがうまくできないと薬物療法(薬による治療)が行われます。


●食事療法

これまでの食生活の問題点を見つけ出し、適切なエネルギー量で栄養バランスのとれた食生活への指導が行われます。

●運動療法

運動不足は糖尿病を発症する原因のひとつであり、食事療法と並行して運動療法が行われます。適切な運動の継続により、血糖値が下がる、インスリンの働きがよくなる、動脈硬化を抑制する、体脂肪や内臓脂肪を減少させるなどの効果が期待できます。

●薬物療法

飲み薬と注射薬が使われます。インスリンの分泌を促す、インスリンの効果を上げ血糖の代謝を促進させる、食後すぐにインスリンを分泌させる、食事でとった糖質の分解・吸収を遅らせるなど、症状にあった薬が使われます。

セルフケア

療養中

1型糖尿病のセルフケアはむずかしく、医師の指示によるインスリン治療が必要です。

2型糖尿病や妊娠糖尿病は、まず「コントロールできる病気」であることを理解し、原因と考えられる食生活の乱れや運動不足などを改善することが大切です。塩分の少ない栄養バランスの整った食生活、適度な運動の継続などで、肥満がある場合は肥満の改善を目指します。標準体重といわゆるBMI値:体重kg÷(身長m×身長m) 23以下が目安です。睡眠不足やストレス過多の解消や禁煙なども症状の改善につながります。

医師から薬が処方されている場合は、自分の判断で服用をやめてはいけません。かえって悪化するケースもあるので必ず医師に相談してください。

監修

医療法人青泉会下北沢病院糖尿病センター長

富田益臣

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