誤嚥性肺炎
ごえんせいはいえん

最終編集日:2022/1/11

概要

食べ物や飲み物、唾液などを飲み込むことを「嚥下(えんげ)」といいます。この嚥下の働きがうまくいかず、唾液や食べ物、胃の逆流物が気管に入ってしまった状態が誤嚥です。

気管に入ってしまった唾液や食べ物に含まれる細菌が肺に送り込まれ、肺のなかで炎症を起こすと誤嚥性肺炎を発症します。嚥下性肺炎とも呼ばれます。

原因

誤嚥性肺炎の原因としては次の4つが挙げられます。

① 嚥下障害がある

高齢になるとうまく飲み込むことができない嚥下障害が起こりやすくなります。脳卒中などの病気が影響している場合もあります。

② せき反射がうまく働かない

高齢者や脳卒中を起こした人は咽頭や気管に入った異物を、せきをすることで追い出そうとする反射機能が弱まり、睡眠中に胃酸を含む食道からの逆流物や唾液(口腔内雑菌)が気管に入って誤嚥性肺炎を発症することがあります。

③ 口のなかが不衛生である

口腔内の清潔が保たれていないと肺炎の原因となる細菌が増殖しやすくなり、発症リスクが高まります。

④ 免疫が低下している

高齢者や重い持病のある人は免疫力が低下しやすく、誤嚥性肺炎をひきおこす細菌が増殖しやすい傾向にあります。

高齢者における誤嚥性肺炎の発症のメカニズム
高齢者における誤嚥性肺炎の発症のメカニズム

症状

通常の肺炎では38℃以上の発熱、せき、濃い色のたんなどの症状が現れます。ただし高齢者に高頻度でみられる誤嚥性肺炎の場合には明らかな肺炎の症状が出にくく、微熱程度である、呼吸が浅くて速い、ふだんより元気がない、食欲がないといった程度のことも多く、重症化してから気がつくといったケースも少なくありません。

検査・診断

胸部X線検査で肺炎像を確認します。また血液検査を行い、白血球の数値や炎症反応の有無などを調べます。

治療

抗菌薬を処方します。誤嚥性肺炎はくり返し発症するケースが多いため、治療後は口回りの動きをスムーズにして筋力アップを図る訓練や、歯みがきなどの口腔ケア、誤嚥を防ぐ正しい食事の仕方を学ぶなどの指導をします。

セルフケア

予防

喫煙は嚥下機能を低下させ、気道の粘膜に付着する細菌を増加させるため、喫煙者は禁煙をすることが予防につながります。

食事前には嚥下にかかわる首や肩などのストレッチを行うと効果的です。誤嚥のリスクのある人は、食事の際には姿勢を正し、少しずつゆっくりと食べるようにしましょう。飲み込む力が衰えている人には、料理にあんかけのようなとろみをつけるなどの工夫をすると飲み込みやすくなります。

監修

千葉大学病院 呼吸器内科特任教授

巽浩一郎

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