帝王切開のリスクは?
現在、妊娠33週で予定帝王切開をすることになりました。担当医は自然分娩でも大丈夫と言ってくれていますが、腎臓に持病があるため不安なので帝王切開を希望しました。ただ、帝王切開にもいろいろなリスクがあると聞き、教えていただきたいです。
女性/20代
2023/09/24
「予定帝王切開」は、妊娠中の検査から自然分娩(経腟分娩)が適応されないと判断されたケースに行われます。逆子、多胎児(双子、三つ子など)、前置胎盤(胎盤が子宮口を塞いでいる)や、ご相談者のように持病がある場合などに選択されます。
一方、自然分娩を予定していたものの、母体や胎児に何らかの問題が起こり、胎児を取り出す必要が生じたときに行われるのが「緊急帝王切開」です。自然分娩中に緊急帝王切開に切り替えるようなケースもあります。
帝王切開は全分娩の20%近くを占めるとされています。
帝王切開は一般的にリスクの高い手術ではありませんが、次のようなことが起こり得ます。
●手術中の出血が多くなる……子宮を切開するため、自然分娩の約2倍の出血があるとされています。
●手術中、膀胱、尿管、腸など、隣接する臓器を傷つけることなどがごくまれにある。
●血栓(血の塊)による肺塞栓症のリスクがある……帝王切開では、麻酔でからだを動かせない状態が1時間程度続きます。その間、胎児の重みで血流が悪くなり、静脈に血栓ができやすくなります。分娩で血流が急に回復することで血栓が肺に流れ込み、肺の血管を詰まらせる肺塞栓症のリスクがあります。
●弛緩出血が起こりやすい……分娩後は本来、子宮が収縮して止血されますが、子宮の収縮が十分でなく、出血が続くことがあります。
●手術の傷から細菌などの感染が起こることがある。
●術後、周辺の臓器の癒着が起こることがある。
手術の合併症の頻度は非常に低いものですが、ゼロではありません。また、次の妊娠・分娩に影響する場合もあります。
ご相談者は「自然分娩でも大丈夫」と言われたそうですが、再度、腎臓内科の担当医、産婦人科の担当医と家族も交えてよく相談し、帝王切開のメリット・デメリットを押さえたうえで、納得して手術を受けるようにしてください。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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