心筋症しんきんしょう
最終編集日:2022/1/11
概要
心筋症は心臓の筋肉に起こる病気で、全身に血液を送り出すポンプ機能に障害が起こるものです。心筋症には、肥大型心筋症(心筋が異常に厚くなる)と拡張型心筋症(心筋が薄くなって収縮力が弱くなり、心臓の内腔が大きく広がる)があります。
原因
肥大型心筋症は、血縁者に同じ病気の人がいるケースが多いため、遺伝的要因が考えられます。拡張型心筋症ははっきりとした原因は解明されていませんが、ウイルス感染による心筋炎後遺症、遺伝子の異常、自己免疫性疾患などが関与していると考えられています。
症状
心筋症の症状は、息切れ、動悸、呼吸困難、むくみや疲れやすさなど、進行状態によってさまざまです。
検査・診断
軽症ではほとんど自覚症状がないため、健康診断の心電図や胸部X線検査(レントゲン)で発見されることが多い病気です。これらの検査で心筋症が指摘されたら、心臓超音波検査(心エコー検査)で、心臓の拡大状況やうっ血の度合い、不整脈、心臓の収縮力の強さや壁の厚さなどを調べます。
治療
無症状の肥大型心筋症は、経過観察しながら必要に応じて薬物療法を行います。
拡張型心筋症では心不全治療を目的とした薬物による治療が中心ですが、改善がみられない場合には、ペースメーカーを用いた心臓再同期療法(両心室ペーシング)を行う場合もあります。さらに重症化すると、補助人工心臓や心臓移植などの手術療法が考慮されます。
セルフケア
療養中
心筋症と診断されたら、過激な運動は避け、病気の進行を食い止めて、突然死の危険を低減することが大切です。専門医の指示に従いましょう。
予防
健康診断で心筋症が指摘されたら、まずは遺伝的要因があるか家族に確認をとりましょう。スムーズな治療への足がかりにもなります。
監修
小田原循環器病院 循環器内科院長
杉薫
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