PET
最終編集日:2022/7/29
PET検査は、がんの検査方法のひとつです。全身のがんリスクを自覚症状がなくても検査することができます。方法は、検査薬を静脈に注射し、薬剤の体内分布の様子をPET装置でスキャンして画像化します。使われる検査薬は、がん細胞のエネルギー源であるブドウ糖と、ごく微量の放射線を放出する放射線同位元素を結合した薬剤です。がん細胞は正常な細胞に比べ、多くのブドウ糖を取り込むため、がん細胞があると、その部位に薬剤が多く取り込まれます。PET装置は薬剤が発する放射線を検出して画像化するので、全身のがんを一度に調べることができるのが大きな利点です。
PET検査では、頭頸部がん、食道がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、膵臓がんなどが見つけやすいとされ、なかでも肺がんや悪性リンパ腫、転移性肝がんなど、転移が多く、全身のチェックが必要ながんに非常に適しています。一方で、胃がん、腎臓がん、膀胱がん、前立腺がんなどは見つけにくいとされています。そのため早期がんの発見には、ほかの検査方法と組み合わせることが必要です。
PET検査は、治療にも広く使われるようになってきましたが、健康診断では費用的な負担が課題です。また、検査薬には糖が含まれているため、糖尿病がある人は事前に相談が必要です。
監修
寺下医学事務所 医学博士
寺下謙三
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