めまい、立ちくらみ

最終編集日:2024/1/19

概要

めまいは頭痛やしびれなどとともに日常的に経験する不快な症状です。めまいには3種類の傾向があります。


●回転性のめまい

自分がグルグル回ったり、上下左右に動いたり、また天井や床、壁などがグルグル回ったりする感覚のめまいです。おもに耳の内側深部にある内耳(三半器官やからだのバランスを調整する前庭神経)の異常が原因です。あわせて耳鳴り、吐き気、嘔吐を伴う場合もあります。

原因としては、良性発作性頭位めまい症、突発性難聴、メニエール病、高血圧症、前庭神経炎、聴神経腫瘍などがあります。


●浮動性、動揺性のめまい

フワフワと宙に浮いているような浮動感、ゆらゆらと揺れているような不安定な感覚を伴うめまいです。

前庭神経の異常や回転性のめまいの回復期にもよくみられますが、おもに小脳や脳幹など脳の障害が原因で生じます。めまいだけでなく、吐き気や嘔吐、高血圧、低血圧、息苦しさ、歩きづらさなども一緒に現れることがあります。

原因としては頸椎捻挫、緊張型頭痛(頸肩腕症候群)、不整脈、低血糖、自律神経失調症、心因性めまい、脳梗塞、脳出血、更年期障害、脊髄小脳変性症などがあります。


●失神を伴うめまい

目の前が急に暗くなり気が遠のく感覚のめまいです。ひどい場合には失神や意識を失うこともあります。立ちくらみや脳貧血、起立性低血圧なども同様の症状です。心臓や血管の病気、貧血、心因性の病気などでみられる症状です。


急にめまいを体験すると強い不安に襲われがちですが、もっとも頻度の多い良性発作性頭位めまいは急に立ち上がったり座ったりしたときに起きやすいため、慌てず心配しすぎないようにしましょう。また、女性の更年期障害で現れるめまいも、しばしばみられますが、心配しすぎる必要はありません。ただし、軽くなってもくり返したり持続する場合は、治療が必要な病気の場合もあり、放置せずに受診しましょう。

受診の目安

救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診

・めまいに頭痛や嘔吐を併発している

・めまいにはっきりとした難聴が併発している

・失神した、または意識障害がある

・顔色が悪く、ぐったりしている

・手足のしびれや麻痺がある、またはろれつが回りにくい

医療機関を受診

・めまいに難聴や耳鳴りを併発した

・かぜ気味で、めまいを頻発した

・座ったり立ち上がったりするとめまいが起きる

様子をみる

・更年期障害である

・めまいが起きてもすぐに回復する

セルフケア

回転性のめまいに、難聴や耳鳴りが併発した際は注意が必要です。メニエール病や突発性難聴が疑われますので、医療機関への受診が必要です。

手足のしびれや麻痺を併発する場合は、脳梗塞、一過性脳虚血発作、脳出血などが疑われます。至急、受診が必要です。

血圧が高めで回転性のめまいと頭痛、嘔吐などがあるときは、脳出血や脳梗塞が疑われます。また、失神してしまう場合は、不整脈や脳貧血の疑いがあります。どちらも至急、受診する必要があります。

考えられる病気

監修

昭和大学 医学部脳神経外科 名誉教授

藤本司

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