突然死とつぜんし
最終編集日:2022/1/11
概要
突然、何らかの症状が起こり、24時間以内に死亡することを突然死といいます。原因の約半数は心臓にかかわるもので、運動中や直後に起こる心臓突然死のほとんどは心室細動(心臓が停止する直接的な原因)という不整脈によるものです。全身に血液が届かなくなり、数秒で意識を失い、放置すれば死に至ります。若年者では肥大型心筋症・冠動脈奇形、ブルガダ症候群などが、高齢者では動脈硬化性の冠動脈疾患が突然死の原因となることが多いです。
原因
原因は不明なことが多いですが、原因のわかる突然死もあり、その中では心疾患がもっとも多いです。
心疾患としては急性冠症候群(不安定狭心症から急性心筋梗塞)、心筋炎、肥大型心筋症、拡張型心筋症、ブルガダ症候群などが原因としてあげられます。
脳疾患としてはくも膜下出血、脳出血、脳梗塞などが原因です。
症状
睡眠中に突然死するのはブルガダ症候群、J波症候群(早期再分極症候群)、QT延長症候群などです。や入浴中、運動中、仕事中などに突然死するのは心筋梗塞、心筋症などによります。突然倒れて失神(意識消失)し、反応がなくなります。また、睡眠中では悲鳴のようなうめき声を発したり、口から泡を出して突然死することもあります。
原因疾患がある場合は、まれに症状が出ることもあり、心筋梗塞が原因の場合は、胸の痛みや冷や汗、胸の圧迫感、息苦しさ、吐き気や嘔吐などの症状が現れることがあります。
検査・診断
ホルター心電図装着中の突然死は原因がわかりますし、自動体外式除細動器(AED)を装着して作動するように指示が出れば心室細動とわかります。
治療
迅速な救命救急対応が重要です。救急車を呼ぶ、胸骨圧迫による心臓マッサージ、AEDの使用、人工呼吸などを迅速に行います。
AEDを用いて電気ショックを与える場合、10分過ぎると救命は困難になるといわれているため、迅速な対応が必要です。
セルフケア
予防
予防は困難ですが、ほとんどは不整脈が原因で、まれに心破裂、大動脈瘤破裂が原因で起こります。定期的に健診を受けることや生活習慣に配慮することを心がけましょう。
運動前の体調を確認し、体調不良や睡眠不足などコンディションが悪いときは運動を控えましょう。
また、真夏日や猛暑日などの運動は避け、運動中はこまめに水分をとりましょう。運動中に生じる心室細動は、AEDの使用や適切な心臓マッサージなどを行えば救命できる可能性があります。事前にAEDの場所を確認しておくことが大切です。
心電図に異常がある場合は、あらかじめ医師の診察を受けておきましょう。
監修
小田原循環器病院 循環器内科 院長
杉薫
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