サルコイドーシスさるこいどーしす
最終編集日:2022/4/11
概要
サルコイドーシスは原因不明の全身性疾患で、肉芽腫という結節を形成するのが特徴です。肉芽腫は、肺、リンパ節、心臓、目、皮膚、筋肉、骨、関節など、全身のさまざまな臓器に形成されます。
男性より女性に多く、女性では20~30歳代と50~60歳代に、男性では20~30歳代に好発する傾向があります。
サルコイドーシスは国の難病に指定されているので、医療費の補助を受けることができます。
原因
現在、はっきりとした原因は解明されていません。
アレルギー反応に起因すると考えられていて、欧米では非結核抗酸菌が、日本ではアクネ菌が原因菌ではないかと考えられて研究が進められていますが、現段階ではまだ原因は不明です。
症状
症状は、病変がどの部位にできるかによって異なります。肺に病変ができると、せきや息切れなどが、目にできると、霧視(霧がかかったように周りがぼんやり見える)、羞明(まぶしく感じる)、飛蚊症(小さいものがチラチラと移動しているように見える)などが、皮膚では結節性紅斑(赤~紫色のやや盛り上がった結節)などの皮疹が出現します。
まったく自覚症状のないことも多く、30~40%の患者さんは健康診断で偶然発見されます。
検査・診断
全身性の病気なので、症状が出ている部位だけでなく、全身の検査を行います。まず診察で症状を確認し、血液検査、尿検査、心電図、胸部X線(レントゲン)検査や超音波検査、CT検査など、さまざまな検査を行うとともに、眼科や皮膚科などでも診察・検査を行って総合的に診断します。サルコイドーシスの診断においては、生検によって採取した組織に乾酪壊死を伴わない肉芽腫が認められることが原則です。ただし、目や、心臓、脳といった臓器の生検はむずかしいため、臨床症状をもとに診断を行う場合もあります。
治療
サルコイドーシスは、自然に改善することが多い疾患のため、軽症の場合は経過観察となることが多いです。
ただし、症状が強く出ていたり、病状が進行したりして、命にかかわるリスクやQOL(生活の質)を損なう可能性がある場合には、ステロイドによる治療を行います。ステロイドの使用は、目や皮膚などに対する局所療法と、肺や心臓、神経、腎臓に行う全身療法があります。
セルフケア
療養中
経過観察中、あるいは治療後に自覚症状がなくても、定期的な診察と検査は必要です。
症状がある場合には、できるだけ無理をせず、ストレスを減らして休養をとり、規則正しい生活を送ることが大切です。
なお、女性の場合、出産後に症状が悪化するケースがあるので注意しましょう。
監修
東海大学 医学部血液腫瘍内科 教授
川田浩志
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