尿もれ、頻尿 <妊娠中>
にょうもれ、ひんにょう・にんしんちゅう

最終編集日:2022/3/15

概要

妊娠後、頻繁にトイレに行きたくなったり、せきやくしゃみで少しおなかに力が入っただけで尿がもれたりすることは、妊婦によく起こる症状です。

尿もれや頻尿は、子宮が大きくなり膀胱を圧迫することで起こるもので、病気ではありません。戸惑う人も多いものですが、尿もれや頻尿を恐れるあまり水分の摂取を控えてはいけません。


原因

妊娠すると体内の血液量が増えて腎臓の働きが活発になることから、尿量が増えて頻尿になります。また子宮が大きくなって膀胱を圧迫することで尿もれや頻尿が起きやすく、骨盤底筋群が弱くなることなども原因となります。

骨盤底筋群は骨盤の底にあたる部分の筋肉で、膀胱や子宮などの臓器を支えています。加齢や出産により弱くなる部分なので、出産を経験している人ではとくに症状が出やすくなります。



症状

頻繁にトイレに行きたくなる、排尿してもすっきりしない、せきやくしゃみといった小さな刺激で尿がもれてしまう、などの排尿トラブルは多くの妊婦が経験しています。病気ではないので必要以上に心配することはありません。ただしおなかが大きくなっていないのに頻尿や残尿感がある、排尿時痛がある、などの症状がみられるときは膀胱炎(ぼうこうえん)の可能性もあるので、主治医に相談することをおすすめします。



検査・診断

症状がひどくて、気になるときは泌尿器科を受診します。問診のほか、尿検査、血液検査、超音波検査が行われます。

治療

妊婦は妊娠していないときのように薬を飲むことはできないため、骨盤底筋のトレーニングなどがすすめられています。



セルフケア

予防

尿もれ対策には骨盤底筋を鍛えるトレーニングが有効です。からだに無理のない範囲で行いましょう。

出産して子宮が小さくなれば尿もれは改善しますが、骨盤底筋群が妊娠でゆるんだり、分娩で傷ついたりしたままだと、元に戻らないことも多く、産後の尿もれの原因となります。骨盤底筋トレーニングによって改善される場合が多いため、積極的にやってみましょう。


監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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