関節リウマチ
かんせつりうまち

最終編集日:2025/12/23

概要

関節リウマチは、免疫の異常によって起こる、手指、足趾、手首、足首のほか肩、ひじ、ひざなどの関節に炎症が起きて痛みや腫れが生じる病気です。症状が進むと関節の変形や機能障害に至ります。明確な原因はまだわかっていませんが、遺伝的要因をはじめ、喫煙といった環境要因がかかわると指摘されています。発症に男女差がみられ、女性は男性にくらべて多い傾向で、約4倍の差があります。年代別にみると40~60歳代の発症が多いですが、さらに高齢での発症ケースが増えてきています。

原因

からだの免疫機能とは体内の異物を認識し排除しようとする機能で、細菌やウイルスなどの外部からの異物や、体内の老廃物や変異した細胞(がん細胞など)など、体内で生じた異物に反応し身を守る働きをします。しかし、免疫機能の異常により自身の関節の細胞を誤って異物と認識し攻撃することがあります。これによって関節に痛みや腫れが起こるのが、関節リウマチです。

発症原因はまだ判明していませんが、遺伝的要因のほか喫煙、歯周病、腸内細菌といった環境要因が関連していることが指摘されています。

症状

おもな症状には、関節の痛み、腫れ、こわばりなどがあります。初期には朝方にこわばりを感じるようになり、左右対称に手足の指の関節が腫れます。

症状の進行とともに関節破壊が起こると、小さな関節であっても日常生活に大きな支障が出てきます。

病変が進むと、長期間の炎症によって骨や軟骨がだんだん破壊されていきます。破壊が進んだ場合、関節の変形や脱臼によって関節の安定性が消失しグラグラと異常な動きになる関節もあれば、関節が硬くこわばってしまう拘縮(こうしゅく)や、関節が完全に固まって曲げ伸ばしが困難になる強直を引き起こすこともあります。

また、患者さんによってはひざ関節や股関節などの大きな関節が侵されることもあり、歩行困難が生じる場合もあります。

関節リウマチ(末期の足の病変)
関節リウマチ(末期の足の病変)

検査・診断

関節リウマチの診断は、問診やどの関節に痛みや腫れがあるかを調べる身体所見のほか、血液検査や画像検査を組み合わせて行ないます。

●血液検査

自己抗体のリウマトイド因子(RF)や関節リウマチの特異性が高い抗CCP抗体について検査します。ただし、この2つの血液検査がともに陰性であっても関節リウマチと診断するケースや、反対に陽性でも関節リウマチと診断できないこともあり、診断は臨床所見もあわせて行われます。また、関節の炎症度合いを知るために、血液から炎症反応を調べます。赤血球沈降速度を調べる赤沈(せきちん)や炎症反応を調べるCRP値の検査が行われます。

●画像検査

X線(レントゲン)検査が中心です。手足の状態や自覚症状のある関節を撮影して、骨が欠けていないか、骨と骨の隙間が狭くなっていないかといった、関節リウマチの症状の有無を調べます。よりくわしい検査が必要なケースでは、関節超音波検査やMRI検査を行うこともあります。

治療

関節リウマチは発症すると2年以内に関節の破壊が始まることが多いです。関節の骨や軟骨は破壊されると元に戻せないため、早期治療が肝心です。治療の基本は「薬物療法」ですが、生活習慣の見直しを図る「基礎療法」も欠かせません。症状の進度によっては「理学療法」や「手術療法」も検討します。

●薬物治療

関節リウマチの治療の基本となります。患者さんの病状や体調によって、抗リウマチ薬である免疫調整薬、免疫抑制薬、生物学的製剤が選択されます。非ステロイド性消炎剤やステロイド剤が初期に使用されることがありますが、基本的な病態に影響する抗リウマチ薬の使用は欠くことができません。

●基礎療法

規則正しい生活を送るために、適度な運動、安静、食生活などに気をつけます。喫煙や歯周病が症状を悪化させるケースもあるため、禁煙や歯周病治療の指導を受けることもあります。

●理学療法

リハビリテーションのことです。筋力や関節の可動域を維持するために行います。関節の変形の保護、日常生活の動作補助を目的として、器具を装着することもあります。

●手術療法

薬物療法や理学療法を行なっても関節の変形や破壊が進む場合には、関節や背骨の手術を行います。

セルフケア

療養中

関節リウマチの薬物療法開始時にはなかなか症状が改善しないことがあります。1~2カ月たって効果が出る薬剤もあるため、自己中断は禁物です。免疫抑制剤や生物学的製剤使用中には、感染に対する抵抗力が弱くなることから、感染対策を心掛ける必要があります。マスクの着用や手洗い、うがいなど基本的な対策を習慣づけましょう。またインフルエンザや肺炎球菌などの予防接種はできるだけ受けておきましょう。

呼吸器疾患など内臓疾患が発症する可能性も高くなるため、定期的な検診も必要です。

副作用なく薬物療法を継続し、関節リウマチの進行を抑えて改善するためにも、リウマチを専門とする医師に相談するのがよいでしょう。

病後

関節は一度炎症を起こすと、もろくなっていることが多く、二次的な損傷を防いで関節の機能を維持向上させるために、リハビリテーションが重要な役割を果たします。筋力や関節の可動域を維持しながら、毎日の適度な運動、食生活、禁煙、歯周病治療などにも留意しましょう。

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監修

東馬込しば整形外科 院長

柴伸昌