金属アレルギー

きんぞくあれるぎー

最終編集日:2023/3/20

概要

特定の金属がアレルゲンとなってアレルギー反応が起こる病気です。

金属を含むものが直接皮膚に触れて部分的に症状が起こる「接触性皮膚炎」と、金属が体内に入り込んでアレルギー症状が起こる「全身型金属アレルギー」があります。身の回りにある金属の、何がアレルゲンになるかは患者さんによってさまざまです。

原因

身の回りにあるあらゆる金属がアレルゲンとなり得ますが、コバルト、ニッケル、パラジウム、クロム、金、水銀などの頻度が高いとされています。アクセサリー、コイン、革製品、時計、ステンレス、塗料などは接触性皮膚炎を起こします。とくにピアスはニッケルをアレルゲンとした金属アレルギーの原因になることが多いといわれます。


全身型金属アレルギーは、粉じんや食物に含まれる金属や、歯科治療で使われる金属が原因となります。食物と金属は結びつきにくいイメージがありますが、農作物、魚介類、肉類など、ほぼすべての食材には、量の多少はありますが金属が含まれています。例えば、貝類、豆類、ナッツ、香辛料、チョコレートなどは、ニッケル、クロム、コバルトなどを多く含んでいます。歯科治療ではパラジウムや金、錫(すず)などを含むものが多く、長い間に成分が溶け出し、体内に吸収されることでアレルギーが起こることがあります。

症状

金属による接触性皮膚炎では、金属製品に接触していた皮膚に、赤い発疹や丘疹などが現れます。多くはかゆみを伴います。病変は水ぶくれになったり、膿(うみ)をもつこともあります。


全身型金属アレルギーでは、全身のさまざまな部位に発疹やかゆみが現れ、慢性化することもあります。掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう )、汗疱状湿疹、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、紅皮症、偽アトピー性皮膚炎などの皮膚の病気の一部は、全身型金属アレルギーが原因と考えられています。


歯科治療の金属材が原因の場合は、口内炎、舌炎、味覚異常などが現れることもあります。

検査・診断

問診や皮膚の状態、症状によって金属アレルギーが疑われたら、48時間閉鎖型パッチテストでアレルゲンとなる金属を調べます。可能性のある金属の成分を含んだ試薬を含ませたパッチを、背中(肩甲骨の間)あるいは上腕外側に48時間貼ったままにして、アレルギー反応が起こるかどうかをみます。1週間かけて3回まで行い、アレルゲンとなる金属を特定します。


食品中に含まれる金属で症状が現れる場合には、パッチテストで陽性となった金属の金属負荷試験(内服テスト)を行います。これはアレルゲンと疑われる金属の含有量が多い食材を摂取し、アレルギー反応が起こるかどうか、あるいはその食材を制限することで症状が軽減するかどうかを調べるもので、パッチテストよりも確実性が高いとされています。

治療

抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬を用いて、皮膚症状の軽減を図ります。そのうえで、アレルゲンと特定された金属に接触しない、あるいは摂取を制限するようにします。


歯科治療では、その金属を含まないものに換えてもらいます。


食物による全身型金属アレルギーの場合には、食物の摂取制限でアレルゲンをゼロにすることはまず不可能です。摂取制限を厳格にするあまり、微量元素が欠乏し、健康を損なう可能性も高いことから、個人での判断は避けて、医師の指導の下に実践します。

セルフケア

予防

アレルゲンである金属を含むものを身につけないことが第一です。最近はニッケルアレルギーの人でもつけられる、ニッケルフリーのアクセサリーなども販売されています。

歯科治療の詰め物では、セラミックを選ぶとアレルギーを起こすことはなくなりますが、保険診療でないために高額になります。

アレルギーの多くは突然発症します。スポーツや盛夏など、汗を多くかくときにはアレルギーを発症しやすくなるため、ピアスなどのアクセサリーは外すようにしましょう。

監修

東海大学 医学部血液腫瘍内科 教授

川田浩志

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