腹痛
最終編集日:2024/1/19
概要
おなかの痛みには、実際に痛む場所に病がある場合(「内臓痛」)、周辺が痛む場合(「体性痛」:たいせいつう)、また、まれではありますが「関連痛」といって病気の箇所とは別の場所で痛みが起こっている場合の3種類があります。
痛みの場所によって考えられる病気も違ってきます。
●右上腹部痛:胆石胆嚢炎、尿管結石、急性肝炎、胸膜炎など。
●左上腹部痛:急性胃炎、胃潰瘍、急性膵炎、尿管結石、胸膜炎など。
●臍(へそ)周囲痛:腸閉塞、急性膵炎、総胆管結石、腹部大動脈瘤、上腸間膜動脈血栓症など。
●側腹部痛:尿管結石、虚血性腸炎、腎盂腎炎、腎梗塞など。
●下腹部痛:便秘、虫垂炎、大腸憩室炎、急性腸炎、大腸がん、婦人科疾患、子宮外妊娠、膀胱炎、鼠径ヘルニア嵌頓、過敏性腸症候群など。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・突然の腹部激痛
・特定の場所を押すと強く痛む
・嘔吐があり、吐しゃ物が黒い
・顔色が悪く、意識がもうろうとして、冷や汗をかいている
医療機関を受診
・血便が出た
・同じ痛みがずっとつづいている
・同じ痛みがくり返している
・腹痛とともに発熱・嘔吐がある
・決まったタイミング(食後や空腹時など)で腹痛が起こる
・便秘と下痢が交互にくり返し起きている
様子をみる
・腹痛が短時間で治まり、その後、くり返さない
セルフケア
内臓痛は、臓器が引っ張られたり、けいれんを起こしたり、刺激を受けていたりしていることで痛みが起きています。
体性痛は、炎症を起こしている場所から波及して、周辺の膜が痛みます。手のひらで圧迫したあと手を離すとはっきりした痛みがわかる、手で押したときに反射的に腹壁が硬くなるなどの症状を示します。また、上腹部か下腹部かなど、痛む場所から疾患をある程度絞り込むこともできます。ただし、みぞおちの痛みは胃痛としています。
これらを参考に痛みの種類を見きわめて対処しましょう。
考えられる病気
監修
鳥居内科クリニック 院長
鳥居明