便秘症

べんぴしょう

最終編集日:2022/1/11

概要

便秘症とは、「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」を指します。毎日排便をしないからといって便秘症ではありません。

自発的な排便が週に3回未満、排便時に強くいきむ、便が硬い、残便感がある、肛門が詰まった感じがする、排便介助が必要、などのうち2つ以上にあてはまれば便秘です。これらの症状が半年以上つづくのが慢性便秘症です。

全般的に女性に多い病気ですが、60歳代からは男性も増加する傾向にあります。

原因

便秘症の原因はさまざまです。食事の時間がまちまちで、朝食を食べなかったりなど、食生活に関連している原因も少なくありません。また、60歳代以降の男性にも便秘の人が増える傾向にあることから、定年退職などによって生活習慣が急激に変化することも原因のひとつだと考えられます。

そのほか、大腸がんなどの病気の前兆であるケースもあります。

原因には以下のようなものがあります。

・食事の変化(水分摂取量の減少による脱水、食物繊維不足など)

・薬の服用(糖尿病の薬、抗コレステロール薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬など)

・下剤の乱用(下剤や浣腸を多用した結果、薬では排便できなくなる)

・病気(糖尿病、甲状腺機能低下症、パーキンソン病、レビー小体型認知症、うつ病、大腸がん、など)

症状

便秘症は、何日も排便がないという症状以外にもさまざまな症状が現れます。具体的には腹痛、腹の張り、おならの回数が増える、おならが臭い、食欲不振、排便時の痛み、残便感などのほか、ウサギのようなコロコロと硬い便が出ることもあります。便が硬くなると肛門に負担がかかるため、切れ痔などの合併症を伴うケースもあります。

また、便秘がほかの病気の症状として現れる場合もあるので、便秘症状のほかに体重減少などがみられる場合には注意が必要です。

●便秘症の具体的な症状

腹痛、腹部の膨満感、排便困難、排便時に強くいきむ、排便時の会陰部の不快感、残便感、頻回便(何度もトイレに行く)など

●便秘の合併症状

痔核、直腸脱、裂肛、憩室性疾患、宿便など

●注意が必要な症状

腹部膨隆、嘔吐、血便、体重減少など

検査・診断

問診で、便秘の症状と病歴などについてくわしい確認が行われます。排便回数、便の硬さ、残便感、排便後の満足感、食事内容と身体活動量、これまでの病歴、服用している薬はあるか、などが聞かれます。

診察では、腹部の身体所見を診て、腸閉塞、大腸がんなど器質的疾患がないかを診察します。直腸、肛門部に病気が疑われる場合には、直腸内に指を入れる直腸診などが行われます。

問診と診察で得た情報から、便秘の原因を見つけ、必要に応じて大腸通過時間検査や排便造影検査などの検査が行われます。便潜血反応検査は大腸がんなどの出血性病変のスクリーニングとして行われます。

大腸がんや甲状腺機能低下症、糖尿病などの病気が疑われる場合には、下部消化管内視鏡検査やCT検査、血液検査などが行われる場合もあります。

治療

生活習慣を改善することが大切です。食物繊維の多い食事と適度な運動、規則正しい生活を送るよう医師から指導されます。

生活習慣を改善しても効果がない場合には、薬物療法(薬による治療)が行われます。便秘薬には、大腸の動きを助ける刺激性下剤と便を軟らかくする酸化マグネシウム、その両方の働きをもつ胆汁酸トランスポーター阻害薬などがあります。

慢性便秘症の治療では、まず酸化マグネシウムを使って様子をみます。漢方薬や整腸剤を使用する場合もあります。また、便秘の原因疾患がある場合は、その病気の治療を検討します。

セルフケア

予防

便秘の予防・改善には、食生活に気を配ることはもちろん、十分な睡眠をとるなど生活リズムを整え、健康的な生活を送ることが大切です。

まず、食事は1日3回、規則正しく、食物繊維を含む食品をしっかりとるようにしましょう。1日18~20gの食物繊維を摂取することで症状が改善すると考えられています。

日常生活では、便意を感じたときには我慢せず、排便するようにしましょう。便意を感じない場合は、食後の決まった時間にトイレに行く習慣をつけると便秘の改善に役立つ場合があります。

排便姿勢も大切です。背筋を伸ばして座るのではなく、ロダンの「考える人」のようにひじをひざにつけて前かがみに座ると便が出やすくなります。理想の排便姿勢は、前かがみ35度です。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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