ノロウイルス食中毒
のろういるすしょくちゅうどく

最終編集日:2022/1/11

概要

ノロウイルスが付着した食品を食べることでひきおこされる感染症です。ノロウイルスの感染力はとても強く、家族が感染すると次々に家庭内感染を起こすことも少なくありません。汚染された食品を直接食べなくても、ノロウイルスに感染した人の嘔吐物や便から感染することがあります。細菌性の食中毒が夏場に多いのに対し、ウイルス性の食中毒は例年10月頃から出始め、冬場にピークを迎えます。

原因

カキやアサリなどの二枚貝を食べたことで感染した事例が多く報告されています。とくに生食は、食中毒の原因になりやすいので注意しましょう。また、ノロウイルスの感染が飲食店で起こることも少なくありません。これは汚染された食品のウイルスや感染した従業員のウイルスが、食器や調理器具に付着して感染を広げるケースがあるためです。ノロウイルスはとても小さく、手のしわやつめの間にも入りこんでしまうため、手洗いなどによっても除去されにくいといわれています。

症状

ノロウイルスは人の腸内で大量に増殖します。最初に現れる症状は強い吐き気や嘔吐で、その後、腹痛や水様性下痢の症状が現れます。が出る場合もあり、けいれんや腸重積、脳症などの合併症を発症することもあります。潜伏期間は24~48時間です。症状は2~3日で回復に向かいますが、症状が改善した後も腸のなかにはウイルスが残っていて、2~3週間は便と一緒に排泄されつづけます。

検査・診断

問診と触診で身体状態を診察します。周囲にノロウイルスの感染者がいる場合には、まずノロウイルスを疑います。つづいて便の検査を行い、便中にノロウイルスが含まれていることを確認して診断を確定します。便の検査には遺伝子診断法(PCR検査)とイムノクロマトグラフ法(迅速診断キット)があり、イムノクロマトグラフ法は15分程度で結果が出ることから、外来で活用されています。ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスに対して迅速診断キットがあります。脱水状態を確認するために血液検査や尿検査を行うこともあります。けいれんや脳症の症状がみられる場合には脳のMRI検査などの画像検査、脳波、髄液検査などが追加される場合もあります。

治療

ノロウイルスに対する治療薬はありません。基本となるのは、整腸剤や解熱剤などによる対症療法です。ノロウイルスに感染すると激しい嘔吐や下痢がつづくことから、脱水状態に陥らないようにすることが重要です。下痢止めは症状を悪化させることがあるため、下痢がひどく脱水を起こしているような場合にのみ使用します。脱水状態がみられる場合には点滴を行います。

セルフケア

予防

ノロウイルスは85~90℃で90秒間以上加熱すると感染力を失うとされています。感染源になりやすいカキなどの二枚貝は生食を避け、十分に加熱してから食べるようにしましょう。また感染力が強いウイルスなので、感染者からの二次感染を防止する対策が必要です。


感染予防のための4つのポイント

・調理前やトイレ使用後の手洗いを徹底しましょう。

・調理する際には、食材の中心部が85~90℃の状態で90秒以上加熱しましょう。

・調理器具やトイレなどの洗浄、消毒をしましょう。

・感染者の排泄物や吐しゃ物などの処理を行う際にはマスクやゴム手袋を着用し、周辺の消毒(次亜塩素酸ナトリウムを使用)を行いましょう。

監修

鳥居内科クリニック院長

鳥居明

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