クローン病

くろーんびょう

最終編集日:2022/4/4

概要

クローン病とは、口から肛門周辺までのすべての消化管に慢性的な炎症が起こる病気です。とくに小腸や大腸に発症するケースが多く、粘膜がただれたり炎症によって狭くなったり、線維化して硬くなったりします。

炎症が深い部分まで及んでしまう特徴があり、栄養の吸収にも影響が出て体重減少がみられます。

国の特定疾患として難病指定されている病気のひとつで、原因は今のところわかっていません。10代後半~20代の男性に発症することが多いようです。


原因

クローン病が発症する原因は、はっきりとはわかっていません。免疫機能の異常、ウイルスや細菌、または遺伝的要素やなどが関連しあって発症するのではないかといわれています。

これまでの研究で、動物性の脂肪やたんぱく質を多く摂取する人のほうが発症しやすいことがわかっています。食生活や腸内環境の状態によってもクローン病を発症するリスクに差が生じるのではないかと考えられています。


症状

クローン病は小腸や大腸でむくみや潰瘍、腸管が狭くなるなどが認められ、腹痛や下痢、血便などの消化管症状がよく起こります。熱が出る場合もあります。ウイルス性腸炎などの症状と似ていて区別しにくいこともありますが、同じような症状をくり返したり、長引いたりするとクローン病が疑われます。そのうちに腸の働きが低下して栄養をうまく吸収できなくなり、体重が減少します。

貧血や全身の倦怠感、関節炎や口内炎、目の炎症、皮膚の炎症などの症状がみられることもあります。肛門周辺に痛みが出て、肛門周囲膿瘍や痔瘻を併発することも少なくありません。さらに重症化すると腸閉塞を起こす場合もあります。


検査・診断

問診で症状を聞きとり、全身の状態を診察します。クローン病が疑われるときは、血液検査を行い、白血球の数などから炎症の有無を、ヘモグロビンや赤血球の数から貧血になっていないかどうかなどを調べます。

小腸や大腸などの状態を調べるために、X線検査やCT検査、MRI検査など画像検査を行います。クローン病の炎症は消化管のあらゆるところに発症するため、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で食道・胃・十二指腸を、大腸内視鏡検査で大腸を観察して、炎症の程度や範囲などを確認します。

必要な場合には、炎症を起こしている部分の組織を一部切り取って顕微鏡で観察する病理検査も行います。小腸の検査は、従来は小腸造影X線検査が行われていましたが、カプセル型の内視鏡、あるいはバルーン型の小腸内視鏡が使われるようになってきました

治療

根治する方法はまだ確立されていません。そのため、治療の中心は炎症を落ち着かせるための薬物療法となります。炎症を抑える5-ASA製剤、ステロイド、栄養療法に加え、炎症の原因となる過剰な免疫を抑える免疫調節薬、あるいは抗体製剤が使用されます。クローン病は再発をくり返すことが多いため、症状が改善しても継続した治療が必要です。また、小腸や大腸の内部が狭くなっている場合や腸壁に穴があいている場合、あるいはうみのかたまりができるなどの合併症がある場合には、手術による治療が必要になります。

セルフケア

病後

クローン病は、症状が改善しても再発をくり返す病気です。再発をくり返すうちに病状が徐々に悪化していくという特徴もあるため、治療後も十分気をつけましょう。

食生活では、腸に負担がかからない食事をすることです。高脂肪や香辛料などの刺激物は避けましょう。腸に狭窄がある患者さんの場合は、消化後にカスが残りやすい食物繊維を多く含む食事は減らしましょう。また、よくかんで食べることも大事です。かかりつけの病院で栄養指導を受け、バランスのよい食事を心がけましょう。


監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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