下痢症

げりしょう

最終編集日:2023/3/30

概要

便はバナナ状が理想といわれますが、下痢症の場合、形のない粥状や液状の便になり、排泄後にまたトイレにかけ込むようなことも少なくありません。これは、腸の働きに異常が起きている状態です。食あたりや消化不良、ウイルスや細菌の感染、精神的なストレスなど原因はさまざまで、大抵は腹痛やおなかの不快感を伴います。軽ければ数日で回復しますが、胃や腸、またはそれ以外の内臓疾患による下痢の場合もあり、注意が必要です。

原因

下痢症は、腸の運動が異常に激しくなって、水分が腸で吸収されずに排泄されたり、ウイルスや細菌などによって腸の粘膜からの分泌液が増えたりすることで生じます。おもな原因としては、食あたりや水あたり、暴飲暴食、消化不良、精神的なストレスや緊張、おなかの冷え、ウイルスや細菌の感染などが挙げられます。薬の副作用や乳製品などの摂取、腸などの内臓疾患によって下痢症になる場合もあります。

●冬季下痢症

寒い時期に流行する冬季下痢症は、ノロウイルスやロタウイルスなどに感染することで起こる急性の下痢症です。

●慢性下痢症、下痢型過敏性腸症候群

下痢の症状が3週間以上つづくものは慢性下痢症といって、ストレスや緊張など精神的なことがおもな原因とされています。

●旅行者下痢症

旅先で発症する旅行者下痢症の多くは、食べ物や現地の水から大腸菌をはじめとするウイルスや細菌、寄生虫に感染して起こり、硬度の高い水や香辛料を使った料理なども下痢の原因になります。


また、甲状腺機能亢進症、慢性膵炎などの疾患でも下痢を起こすことがあります。

症状

下痢のほか、腹痛、おなかの張りや不快感などがよくみられる症状です。強く出る症状には違いがあります。

●冬季下痢症

突然、激しい嘔吐に見舞われ、次いで下痢、発熱などが現れることが多く、白っぽい便が出ることもあります。

●慢性下痢症 、下痢型過敏性腸症候群

下痢とともに発熱や貧血を起こすことがあり、下痢の症状が3週間以上つづきます。

●旅行者下痢症

下痢以外の症状は吐き気、嘔吐、腹部けいれんなどで、急な便意をくり返します。

下痢症がつづくと、からだに必要な水分や栄養分などが吸収されずに体外に排泄され、脱水症状や栄養不良を起こすこともあります。また、重篤な病気がもとで下痢が生じている危険性もあるため、下痢止め薬を服用しても治らない場合は、速やかに内科や消化器科を受診することが大切です。

検査・診断

問診や触診で便の状態や排便回数、腹部の状態を確認します。下痢の原因として内臓疾患などが疑われる場合は、血液検査、CT検査、MRI検査、大腸内視鏡検査などを行います。

ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスに対しては、迅速診断キットで診断することができます。


治療

症状により整腸薬、下痢止め薬などを処方し、下痢をひき起こした原因に応じた治療を行います。感染症によるものでなければ、対症療法で経過を観察します。

感染症が原因の場合は抗菌薬や抗ウイルス薬による治療となり、炎症性腸疾患が原因であれば、サラゾピリン、ペンタサなど腸の炎症を抑える5-ASA製剤やステロイド薬、免疫調節薬などを用いた治療が検討されます。冬季下痢症の場合は、まず吐き気止め薬を用いて嘔吐が落ち着くまで安静にします。

また、下痢によって脱水症状が起こらないよう、水分や電解質を補給します。脱水症状がすでにみられる場合は、点滴治療が行われることもあります。

セルフケア

療養中

吐き気や嘔吐がある場合は、完全に落ち着くまで安静にします。その後、脱水症状を起こさないよう、水分補給を意識的に行いましょう。スポーツ飲料や経口補水液は、下痢で失われた電解質と水分を補給することができ、脱水症状の予防に有効とされています。また下痢が改善されるまでは、消化のよい食事を心がけるとよいでしょう。

予防

●冬季下痢症

手洗い・うがいを徹底しましょう。流行する時期に二枚貝や魚介類など、ウイルスに汚染されている可能性がある食品を食べるときは十分に加熱し、調理器具や食器は熱湯消毒をしましょう。人からの感染にも注意が必要です。

●慢性下痢症、下痢型過敏性腸症候群

自分なりのストレス解消法を見つける、冷たいものは避ける、ビフィズス菌などを摂取して腸によい環境を整える、栄養バランスのよい食事、適度な運動、十分な睡眠などが予防につながります。

●旅行者下痢症

水や食事に気をつけることが基本です。食事の前には手洗いを念入りに行い、生水や氷が入った飲食物、生(または生に近い状態の)肉や魚などは避け、屋台などの不衛生な場所での飲食はしないようにしましょう。歯みがきやうがいの際も水道水は使わないようにし、香辛料など食べ慣れていない現地の食事にも注意が必要です。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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