大腸ポリープ
だいちょうぽりーぷ

最終編集日:2023/3/27

概要

大腸の内腔の表面をおおう粘膜から、いぼのように隆起する病変を総称して大腸ポリープと呼びます。大きく「腫瘍性ポリープ(しゅようせい)」と「非腫瘍性ポリープ」に分けられ、腫瘍性ポリープには腺腫とがんが、非腫瘍性ポリープには炎症性ポリープ、過形成ポリープ、過誤腫性ポリープなどがあります。


腫瘍性ポリープの腺腫は大腸がんになるリスクがあるもので、大腸ポリープの約80%を占めるとされます。大腸ポリープは50代以上で患者数が増えてきます。

原因

遺伝子の異常が関係していると考えられていますが、原因は明らかになっていません。


なお、遺伝子が原因で発症する「家族性腺腫性ポリポーシス」という、大腸ポリープが多発するまれな病気があります。家族性腺腫性ポリポーシスは、10~20代の若い世代で発症し、がん化のリスクが非常に高いとされています。

症状

大腸ポリープでは自覚症状はほとんどありません。多くは健康診断などの大腸内視鏡検査でポリープの存在を指摘されます。しかし、ポリープが肛門に近い場所にできると、便に血が付いたりすることがあります。また、ポリープが大きくなって腸管を塞ぐような形になると、腹痛やおなかの張り、便が出にくい、細い、などの排便異常が現れることもあります。

検査・診断

スクリーニング検査として、便潜血検査が行われます。2回検査を行い、1回でも陽性と出たら、大腸内視鏡検査がすすめられます。

明らかに上述のような症状がある場合や、家族歴(家族に大腸がんを発症した人がいる)や既往歴がある場合には、便潜血検査を行わずに大腸内視鏡検査を行う場合もあります。

内視鏡検査は肛門から内視鏡を入れて実際に病変を見ることができるのが大きなメリットです。ポリープの種類や性質、形状を見るために、インジゴカルミンなどの色素をポリープに吹き付けて、粘膜の凹凸や微小病変を見分ける「色素内視鏡検査」が同時に行われることもあります。ポリープが良性か、がんの可能性があるものか、がんに移行するリスクが高いかなどを判断する材料になります。

さらに、内視鏡検査で病変を切除して組織を採取し、病理検査を行って確定診断とします。

治療

治療の基本は、内視鏡的切除です。ポリープの径が6㎜以上のもの、5㎜以下でも形が平坦なもの、がんとの区別が難しいものが、内視鏡治療の対象となります。

内視鏡的切除には、おもに3つの方法があります。

●ポリペクトミー

内視鏡の先端につけられたスネアと呼ばれる金属製の輪をポリープの茎の部分に引っかけて、高周波電流を流して焼き切ります。茎をもつ形のポリープに適応されます。

●内視鏡的粘膜切除術(EMR)

ポリープのある部分の粘膜下に薬剤を注入し、ポリープをもち上げてからスネアをかけて切除します。平たい形のものに適応されます。

●内視鏡的粘膜下層剝離術(ESD)

粘膜下に薬剤を注入し、電気メスでポリープを剥離して切除します。ポリープが大きい場合などに適応されます。


切除したポリープの組織を調べて、悪性度が高いものや、粘膜の下の粘膜下層まで病変が広がっていることがわかった場合には、外科的な手術を考慮します。


セルフケア

予防

大腸ポリープの原因がまだ明らかになっていないことから、ポリープ自体を予防する方法は見つかっていません。しかし、ポリープをがん化させる生活習慣はいくつかわかっていて、次のようなものが挙げられています。

●大腸ポリープをがん化させる生活習慣

肉類をよく食べる/高カロリーな食事が多い/多量飲酒/喫煙/肥満/ソーセージなどの加工肉をよく食べる


一方、適度な運動習慣はがん化のリスクを下げるとされています。

大腸ポリープ切除後は、1、2年に1度、大腸内視鏡検査を受けて早期に再発をとらえ、がん化する前に治療できるようにすることが肝要です。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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