リステリア感染症

りすてりあかんせんしょう

最終編集日:2022/4/5

概要

リステリア感染症はリステリア菌(Listeria monocytogenes)による食中毒です。

リステリア菌は、川の水や植物、土壌、動物の腸管内など環境中に広く分布する菌で、おもに食品を介して人に感染します。感染すると食中毒をひき起こし、発熱、下痢、筋肉痛などの症状が現れます。

まれな感染症で、健康な人が感染しても無症状なことがありますが、免疫機能が低下した人や高齢者などが感染すると、重症化することがあります。また、妊娠中は通常と比較して十倍以上感染しやすいとされ、妊婦から胎児に感染すると流産や死産の原因となります。さらに、出産後赤ちゃんが肺炎、敗血症、髄膜炎などを発症することがあります。

消毒用剤や熱には弱い菌ですが、冷蔵庫内や高い塩分濃度の食品でも増殖するので要注意です。感染した場合は、抗菌薬での点滴治療が一般的です。


原因

食べ物に付着したリステリア菌を摂取することで感染します。

生ハムなどの食肉加工品、ナチュラルチーズ、未殺菌乳、スモークサーモンなどの魚介類加工品など、加熱せずにそのまま食べられる食品は注意が必要です。


症状

リステリア感染症は、健康な人の場合、原因となる食品を摂取してから数日で発症し、軽症のまま経過します。なかには無症状の場合もあります。免疫機能が低下している人や高齢者が感染すると、数日から90日程度(通常数週間)の潜伏期間ののちに発症します。

おもな症状は発熱、下痢、頭痛、筋肉痛などの症状で、重症化すると髄膜炎や敗血症を起こし、生命にかかわることがあります。

妊婦が感染すると、発熱や頭痛、関節痛、下痢、嘔吐などの症状が出ることがありますが、無症状の場合もあります。

たとえ症状がなくても流産や死産のリスクが高まります。また出産後赤ちゃんが肺炎、敗血症、髄膜炎などを発症することもあります。気づきにくい感染症ですが、かぜのような症状があったらすぐに主治医に相談することが必要です。


検査・診断

血液検査、髄液検査などを行い、リステリア菌の有無を調べます。

発熱や腹痛などの症状が出た場合は迷わず受診が必要です。妊婦の場合、早期に発見し治療ができれば、胎児への感染を防ぐことができます。


治療

一般には入院し、抗菌薬(ペニシリン系抗生物質)の点滴治療が行われます。健常者が重症化することはまれですが、重症化すると致死率が20~30%と高いため、早急な治療が重要です。

セルフケア

予防

リステリア菌は、熱には弱い菌ですが、低温な冷蔵庫のなかでも生きつづけ、塩漬けの食品でも増殖するため要注意です。免疫機能が落ちやすい妊婦は、食材をしっかり加熱し、生野菜や果物は十分に洗ってから食べることが感染対策となります。

妊娠中は控えたほうがよい食品には次のようなものがあります。

 ・生ハムなどの食肉加工品

 ・加熱処理されていない食品(未殺菌乳やナチュラルチーズなどの乳製品)

 ・スモークサーモンなどの魚介類加工品


監修

JR東京総合病院 産婦人科 医長

松浦宏美

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