レジオネラ感染症

れじおねらかんせんしょう

最終編集日:2023/3/29

概要

レジオネラ菌が原因となって起こる感染症です。レジオネラ菌は特定の種類のアメーバに寄生し、その細胞内で増殖します。急激に重症化して死に至ることもある「レジオネラ肺炎」と、一過性で自然に治ることが多い「ポンティアック熱」に分けられます。


感染は通年みられますが、特に夏に増加し、温泉や旅行での感染が指摘されています。また国内だけでなく海外旅行中に感染するケースも増えてきています。現在のところ予防できるワクチンはありません。

原因

レジオネラ菌に汚染されたエアロゾル(目に見えない細かい霧や水滴)の吸入によって、感染して発症します。人から人へ感染することはありません。


レジオネラ菌は自然界のさまざまな場所、特に水の中に多く存在します。たとえ菌があっても通常は少数なので問題ありませんが、水温20~50℃の場所で増えはじめ、36℃程度でもっとも多く繁殖するので、水が入れ替わらない循環式の温泉や貯水装置、加湿器などでの感染が多く報告されています。感染力はあまり強くありませんが、高齢者や免疫機能が低下した人は注意が必要です。

症状

潜伏期間は2~10日です。肺炎の特徴的な症状であるせき、たん、息苦しさのほか、腹痛や下痢などの消化器症状や高熱を伴うこともあります。ポンティアック熱は同じく発熱や寒気、筋肉痛などの症状がありますが、ほとんどの場合は数日のかぜ症状でよくなります。

検査・診断

温泉施設に行った後などに肺炎症状がある場合は医療機関でその旨を伝え、検査を行います。まずX線で肺炎かどうかの確認をした後、尿を採取し「尿中抗原検査」を行うことでレジオネラ感染症かを特定できます。尿中抗原検査は短時間で結果が得られる検査として、レジオネラ感染症検査に広く用いられています。

治療

マクロライド系あるいはニューキノロン系を第一選択とする抗菌薬が投与されます。急速に悪化することもあるので早期診断、治療が重要です。また、軽症で済むことが多いポンティアック熱は、抗菌薬を使わなくても自然に治ることがほとんどです。

セルフケア

予防

衛生管理が不十分な浴槽や循環ろ過装置の内部などに、生物膜(バイオフィルム)が生じると、そのぬめりがアメーバの温床となり、レジオネラ菌が増殖します。浴槽の湯は毎日入れ替え、床や壁はぬめりができないよう、よく洗いましょう。また、超音波式の加湿器などは水を入れっぱなしにせず、毎日必ず容器を洗浄し、水を入れ替えましょう。レジオネラ菌は高熱に弱いため、水蒸気が発生するしくみの加湿器は感染源となる可能性が低いとされています。


一方、エアコンや給水機などからの感染も報告されています。とくに高齢者施設などでは設備のメンテナンスや掃除を定期的に行うことなどで、清潔な環境を心がけましょう。


高齢者や持病がある人、新生児、体力が低下している人は感染のリスクが高まります。入浴施設や温泉の打たせ湯、ジャグジー、噴水など、水しぶきが発生する場所を訪れることは控えたほうがよいでしょう。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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