B群連鎖球菌感染症

びーぐんれんさきゅうきんかんせんしょう

最終編集日:2022/3/16

概要

B群連鎖球菌(Group B Streptococcus: GBS)はありふれた細菌で、女性では腟や肛門周辺にいる常在菌の一種です。感染してもとりたてて症状がないため、妊婦健診の検査で感染が判明することがほとんどです。妊婦のからだには大きな影響はありませんが、分娩や破水時に母体から胎児に感染し、まれに新生児に重症の肺炎や敗血症、髄膜炎をひき起こすことがあります(新生児GBS感染症)。そのため出産前の検査で菌の有無を確認し、必要に応じて治療を受けることが大切です。

原因

腟や肛門周辺にいる常在菌の一種、B群連鎖球菌による感染症です。妊娠中は普段より抵抗力が落ちやすく、細菌に感染しやすい状態にあります。

症状

感染しても無症状であることが多いため、妊婦が気づかずに出産を迎えると、分娩や破水時に母体から胎児に感染して「新生児GBS感染症」をひき起こすことがあります。妊婦の保菌率は10~30%、新生児が感染を起こす可能性は1~2%といわれています。新生児に感染すると、まれに髄膜炎や敗血症などの重大な病気をひき起こす可能性があり、出産前までに菌の有無の確認と治療が必要です。

検査・診断

検査は妊娠後期(35~37週頃)に行います。検査方法は、綿棒で腟の入り口付近と肛門の周囲もしくは肛門内をぬぐい、培養検査で有無を調べます。ただし、陽性であっても一時的に保菌している場合が多く、長期にわたる保菌者というわけではありません。あくまでも検査した時点における保菌者であるため、培養検査の時期が早すぎると、正確な予測がむずかしくなります。

治療

妊娠後期の検査でB群連鎖球菌に感染しているとわかったら、赤ちゃんへの感染リスクを減らすために、陣痛や破水で入院した後にペニシリン系の抗生物質(抗菌薬)を点滴し、分娩します。そうすることで、「新生児GBS感染症」の発症を20分の1に抑えることができると考えられています。

適切なタイミングで抗生物質を投与することが重要となります。


セルフケア

予防

B群連鎖球菌は日常的に体内にいる常在菌なので、通常は問題ありませんが、妊娠中は抵抗力が落ちやすく、細菌感染しやすい状態になっています。日頃から十分な睡眠とバランスのとれた食生活を心がけ、できるだけストレスをためず、ゆったりとした気持ちで生活することが大切です。

監修

JR東京総合病院 産婦人科 医長

松浦宏美

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