C型肝炎

しーがたかんえん

最終編集日:2023/3/22

概要

C型肝炎ウイルス(HCV)に感染して、肝臓に炎症が起こる病気です。

初回感染時(急性期)にはほとんど無症状のため気づかれません。初回感染で治療をしなくても約30%のケースではウイルスが体外に排除されますが、残りの約70%ではウイルスが体内に残り、感染が持続する「持続感染(HCVキャリア)」となり、慢性C型肝炎を発症します。20~40年の経過で、慢性C型肝炎の約40%が肝硬変に進展します。

肝硬変になると肝がんを発症するリスクが非常に高くなり(HCV非キャリアの15~20倍)、肝がんの70%近くはC型肝炎が原因ともいわれています。

原因

HCVキャリアの体液(血液など)を介して感染します。具体的な行動として、違法薬物の注射の回し打ち、入れ墨、ピアスの穴開け、性行為、ひげそりや歯ブラシの共有、医療行為(汚染された輸血用血液製剤や医療器具など)などがあります。医療行為によるものは、現在ではほとんどなくなりました。

母親がHCVキャリアの場合の出産時の母子感染については、感染の確率は5~10%とされています。母子感染リスクの高いB型肝炎にくらべて低く、また新生児が感染していても、3歳くらいまでに約30%が自然治癒するといわれます。

症状

通常、肝炎ウイルスに感染すると倦怠感、食欲不振、吐き気・嘔吐、上腹部の圧痛、黄疸(おうだん)などの症状が現れますが、C型肝炎の場合、初回感染時にはほとんど症状がみられません。そのため感染に気づかず、持続感染の状態になってからほかの病気の検査などで指摘されることが多くなっています。

検査・診断

血液検査で、HCV抗体検査(過去に感染しているか)、HCV-RNA検査(持続感染しているか)などを行います。

AST値、ALT値、血清アルブミン値などで肝機能の状態を、超音波(エコー)検査、CT検査、MRI検査などで肝炎が進行して肝臓が線維化しているかを調べます。線維化の正確な診断には肝生検が行われますが、最近は非侵襲的(からだに刺激や負担を与えない)な方法として、肝線維マーカーや、より精度の高い画像診断が用いられるようになっています。

C型肝炎の治療の目的は、HCVの排除に加えて、肝臓の状態を改善し、肝硬変や肝がんのリスクを減らすことにあります。そのため、肝臓の状態を精査する検査は非常に大切です。

治療

かつては免疫にかかわるたんぱく質であるインターフェロンを投与してウイルスを排除する「インターフェロン治療」が主流でしたが、効果がそれほど高くなく、副作用も強いため、最近ではインターフェロンを使わない「インターフェロンフリー治療」が主流になっています。

インターフェロンフリー治療では、過去の治療歴、ウイルスの型、病変の進行度などにあわせて複数の抗ウイルス薬を組み合わせて服用します。インターフェロンのような強い副作用はなく、奏効率もそれまで治療歴のない初回治療の場合は非常に高く、95%以上でウイルスを排除できます。

セルフケア

病後

治療後にウイルスが排除されても、肝機能が完全に戻るわけではありません。肝硬変や肝がんに進展させないために、定期的に肝機能検査を受けることがすすめられます。

また、C型肝炎は症状がなく、肝機能検査の値も、病状が進行してからでないと大きな変化がありません。放置すると肝硬変や肝がんに進行するため、家族や親族にHCVキャリアがいるなどの場合は、ウイルス検査を受けて感染の有無を調べることをおすすめします。全国の拠点病院の肝炎医療コーディネーターに相談するのもいいでしょう。

監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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