Question

慢性肝炎の知人と食事しても大丈夫?

慢性肝炎の知人と一緒に食事をする予定があります。肝炎ウイルスの感染が心配ですが、大丈夫でしょうか。どのように感染するかについて教えてください。

女性/60代

2021/12/21

Answer

肝炎ウイルスには、主にA、B、C、D、E型があります。ウイルス性肝炎を発症すると、全身倦怠感や食欲不振、吐き気や発熱、黄疸などの症状が出現。多くは一過性の急性肝炎で治りますが、その後も肝炎が持続していくケースがあります。6か月以上続くものを慢性肝炎と呼び、原因としてはB型肝炎、C型肝炎が大部分です。


肝炎の感染経路は、ウイルスの種類によって異なります。A型肝炎とE型肝炎は、主にウイルスに汚染された水や食べ物から経口感染します。A型肝炎は国内での発症例は少なく、衛生環境が整っていない発展途上国への滞在時などに、生水や非加熱性の食品を口にすることで感染することがほとんどです。E型肝炎も同様に海外で経口感染することが主ですが、日本国内でも豚の生肉や内臓を食べて発症することがあります。


B型肝炎とC型肝炎、D型肝炎は、血液や分泌液を介して感染します。肝炎ウイルスが含まれている血液を傷のある手で触る、注射針の共有や輸血、肝炎ウイルス感染者と同じ器材でピアスや刺青を入れることなどが主な感染経路となります。


さらに、B型肝炎では肝炎ウイルス感染者との性的接触による感染や出産時の親から子どもへの母子感染もあります。母子感染については妊娠時にB型肝炎の検査を行い、出産に合わせて予防的な治療をするため、現在では親から子どもへ感染することはまずありません。


C型肝炎については、性的接触による感染はごくまれです。感染には血液が体内に入り込む必要があるので健康な皮膚の表面に付着しただけでは感染しません。D型肝炎はB型肝炎に感染している人にのみ感染が見られるもので、国内での発症はごくまれです。


A型、E型を除く、肝炎ウイルスの感染予防には、歯ブラシやカミソリなど血液が付く可能性のあるものを共用しないことや、他人の血液に触れる可能性があるときはゴム手袋を着用するなどして安易に触れないようにすることが大切です。ご相談にある一緒に食事をすることでは感染しません。ほかにも、握手をする、隣に座る、同じ食器を使用する、同じ鍋をつつく、一緒に入浴するなどの行為も感染の心配はありません。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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