B型肝炎
びーがたかんえん

最終編集日:2023/3/22

概要

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染して、肝臓に炎症が起こる病気です。

B型肝炎の病態にはいくつかのタイプがあります。①初回感染の治癒後、ウイルスが完全にからだから排除されて完治し、免疫を得て2回目以降の感染が起こらない一過性のもの(急性B型肝炎)、②初回感染の症状が治まった後も6カ月以上ウイルスが体内にすみつく持続感染(HBVキャリアとなる)、③HBVキャリアのうち、肝機能の異常が6カ月以上継続する慢性B型肝炎(HBVキャリアの10~15%にみられる)。

慢性B型肝炎では、肝硬変や肝がんに進展するリスクが高いため、経過観察や適切な治療が不可欠です。

国内のB型肝炎患者は約130万~150万人といわれます。

原因

HBVキャリアの血液や体液を介して感染します。

HBVキャリアの母親から出生時に胎児が感染するものを「垂直感染」と呼びます。それ以外を「水平感染」と呼び、ピアスの穴開け、入れ墨、性行為、医療行為(汚染された輸血用血液製剤や医療器具などが感染源になる)などがきっかけとなります。現在では医療行為が原因となることはほとんどありません。

症状

症状が出るのは主に初回感染の急性B型肝炎で、食欲不振、吐き気・嘔吐、倦怠感、黄疸(おうだん)、褐色尿などが現れます。非常に軽く済むものから、突然、劇症肝炎に陥るもの、また、症状がまったくないままに治癒する「不顕性感染」もあります。感染後の潜伏期間は1~6カ月とバラつきがあります。

肝臓はもともと予備力が高く症状に乏しいため、「沈黙の臓器」と呼ばれています。持続感染の場合でも無症状で、ほかの検査などでB型肝炎キャリアであることが偶然わかることも少なくありません。さらに慢性B型肝炎となっても、かなり進行するまで自覚症状がないことも珍しくありません。

検査・診断

血液検査のHBs抗原検査で現在の感染の有無を調べ、陽性であれば、HBs抗体検査(過去の感染・治癒の有無)、IgM-HBc抗体検査(最近の感染の有無)、HBV-DNA(ウイルス量)などを行います。あわせて肝臓の炎症の程度や肝機能の状態をAST、ALT、ビリルビン値などで調べます。

持続感染の場合には、肝臓の状態を精査するために超音波検査を行い、腫瘍が疑われた場合には必要に応じてCT検査、MRI検査、血管造影検査、肝生検などが行われます。

治療

●急性B型肝炎……栄養管理を行いながら安静を保ち、HBVが排除されるまで経過観察します。約90%が治癒しますが、2~3%に劇症肝炎の発症リスクがあり、リスクが高いと考えられた場合は抗ウイルス薬を用います。

●慢性B型肝炎……ペグインターフェロン治療が行われます。効果がみられない場合には核酸アナログ製剤(抗ウイルス薬)を用います。慢性B型肝炎では、治療によって血液検査の値が改善されて血中のウイルスの存在が否定されても、肝臓内には残っていることが明らかになっています。そのため治療に一定の効果が認められてからも、ウイルスが再活性化していないか、定期的な検査がすすめられています。

セルフケア

予防

B型肝炎には予防に有効なワクチンがあります(HBワクチン)。現在、0歳児を対象にワクチンの定期接種が行われています。生後2カ月から接種可能で、3回接種します。1歳の誕生日までに3回接種すれば、費用は公費で賄われます。

母親がHBVキャリアの場合には、出生後、乳児にできるだけ早い時期から、高力価HBsヒト免疫グロブリン(HBIg)とHBワクチンの接種を複数回行います。95~97%に予防効果が得られ、ほとんどの乳児がHBVキャリアになるのを防ぐことができます。


監修

鳥居内科クリニック 院長

鳥居明

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