胸やけ、胃もたれ
最終編集日:2024/1/19
概要
胸やけは、食道と胃のつなぎ目部分が胃酸や胆汁などの逆流によって起こる不快な症状です。この胸やけと深い関係があるのが、げっぷと胃のもたれです。
げっぷは胃にたまっていた空気(気体)が食道を経て口から出る現象で、「おくび」ともいいます。胸やけは胃酸や胆汁などの逆流によって起こることが多く、その前症状としてげっぷが出ます。これは胃のなかの圧力が高まっているために起こる現象で、げっぷが出てから胃酸や胆汁などの逆流が始まります。
胃のもたれは、食べたものが胃のなかに長くとどまることによる症状です。当然、胃のなかの圧力は高まっている状態になるので、げっぷや胸やけも起こります。つまり、この3つは同じメカニズムによる症状です。
これらの症状の原因はいくつか考えられます。
●食べたものによる生理的原因
胸やけやげっぷ、胃もたれを起こしやすい食品には、天ぷら、コーヒー、チョコレート、アルコール、炭酸飲料、果汁、玉ネギ、香辛料などがあります。
●食べ物や唾液を飲む込む癖
唾液を飲み込む癖、食べ物をよくかまずに飲み込むなどの癖がある人は、空気も一緒に飲み込みやすいため、胸やけやげっぷ、胃もたれを起こしやすい傾向があります。ストレスがたまっているときにも同じことが起こりやすくなります。
●食事制限
極端なダイエットや食事制限は、胸やけやげっぷ、胃もたれを起こしやすくなり、食も細くなります。
●興奮したとき
不安感や恐怖感に襲われたときに、胸やけのような症状が現れることがあります。神経が興奮状態になるためで食道けいれん症が考えられます。狭心症や心筋梗塞と似た症状のため、かかりつけ医の診察が必要です。
●妊娠しているとき
妊娠時には胸やけやげっぷ、胃もたれが起こりやすくなります。これはつわりの症状と考えられます。症状がひどく、食事がとれない、眠れない、イライラが募るなどがつづいた場合はかかりつけ医に相談してください。
●ほかの病気の影響
糖尿病や逆流性食道炎、過敏性腸症候群などによって、胸やけやげっぷ、胃もたれなどの症状が増えることがあります。こうした病気の治療をしている場合はかかりつけ医に、初めての症状で長引く場合は医療機関での診察・検査が必要です。
受診の目安
救急車を呼ぶ・ただちに医療機関を受診
・胸やけがつづき、顔色が悪く、ぐったりしている
・狭心症などの心臓疾患を経験したことがある
医療機関を受診
・極端なダイエットや食事制限をしている
・ひどく興奮したときに症状が現れた
・妊娠している
・糖尿病の治療をしている
様子をみる
・お酒を飲みすぎた
・天ぷらやコーヒー、チョコレートなどをたくさん飲食した
セルフケア
はっきりした病気はなさそうでも、気になる症状がある場合は食事内容、食べ方などを再点検してみましょう。ひと口につき10~15回以上かむようにする習慣をつけるだけでも、かなり改善します。
考えられる病気
監修
寺下医学事務所
寺下謙三