2型糖尿病にがたとうにょうびょう
最終編集日:2025/12/16
概要
2型糖尿病は、遺伝的素因に加えて、肥満、運動不足、食生活の乱れ、ストレスなどの生活習慣が影響して発症する病気です。従来は成人に多いとされていますが、近年は子どもでも増えています。
発症初期は自覚症状が乏しいことが多いですが、高血糖が続くことで血管が障害され、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症といった合併症を引き起こします。また、狭心症、心筋梗塞や脳卒中など動脈硬化性疾患の大きなリスクにもなります。
原因
インスリンの作用が低下する「インスリン抵抗性」とインスリンを分泌する膵β細胞の機能の低下が組み合わさって発症します。2型糖尿病患者の多くは、遺伝的体質に加えて、肥満や運動不足、過食、高脂肪・高カロリーの食生活がインスリン抵抗性を悪化させ、その負荷によって徐々にβ細胞機能が低下すると考えられています。
症状
初期には自覚症状が少ないことが多く、血糖値が非常に高くなると口渇、多尿、倦怠感などが生じます。合併症が進行すると、糖尿病性網膜症による視力の低下、糖尿病性腎症による腎臓機能の低下、糖尿病性神経障害による手足のしびれ、さらに動脈硬化の進行などがみられます。
さらに合併症が進むと、神経障害や血流障害による失明や足の壊疽(えそ)、腎不全や心筋梗塞など、重篤な病気を招きます。
検査・診断
糖尿病の検査には以下があります。
・血液検査:空腹時血糖値、HbA1c
HbA1cは「過去1~2カ月の血糖値の状態」を反映します。
・尿検査:尿糖、尿中アルブミン(腎症の早期発に重要)
・75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)
75gのブドウ糖液を飲み、2時間までの血糖値の変化を調べ、糖を処理する能力(耐糖能)の評価を行います。
糖尿病の診断は以下のいずれかを満たす場合に確定します。
① 別の日に実施した検査で「糖尿病型」を2回以上確認した場合(1回は必ず血糖値)
「糖尿病型」とは以下のいずれかです。
・空腹時血糖値:126mg/dL以上
・75gOGTT2時間値:200mg/dL以上
・随時血糖値:200mg/dL以上
・HbA1c:6.5%以上
②「糖尿病型(血糖値)」を1回確認し、かつ「慢性的な高血糖を示す症状」があ場合
慢性高血糖症状とは以下です。
・口渇、多飲、多尿、体重減少などの典型的な症状
・確実な糖尿病網膜症の所見
③ 過去に糖尿病と診断された記録がある場合
また、他の病気によって血糖値が上がる場合もあるため、高血糖を引き起こす原因となるほかの病気がないかを調べることもあります。
治療
2型糖尿病では、生活習慣の改善が治療の基本です。日常生活のなかに運動療法や食事療法をうまく取り入れ、適正な血糖値を維持できるようにしていきます。
●運動療法
ウォーキングなどの有酸素運動と筋肉トレーニング(レジスタンス運動)を組み合わせると効果的です。
●食事療法
適切なカロリー摂取量と特に炭水化物の取り方(質と量)に注意します。
●嗜好習慣
禁煙、節酒、規則正しい睡眠習慣など
これらを行いながら、必要に応じて薬物療法を追加します。内服薬には、インスリン抵抗性を改善する薬、インスリン分泌を促す薬、腎臓での糖排泄を促す薬(SGLT2阻害薬)、血糖上昇を抑える薬(DPP4阻害薬)などがあり、患者さんの状態に合わせて選択します。また近年は、GLP-1受容体作動薬が血糖改善だけでなく、体重減少、心血管イベントの抑制効果なども示され、治療に広く用いられています。
内服治療だけではコントロールがむずかしい場合は、インスリン治療を行うこともあります。
セルフケア
療養中
2型糖尿病と診断されたら、日常生活で血糖値が上がりにくい習慣を身につけることが大切です。また合併症の早期発見のため、定期的に血液検査、尿検査、眼底検査を受けましょう。神経障害や血流障害が起きても気づかないことがあるため、足の観察(傷、水虫、巻き爪など)も定期的に行います。
監修
医療法人青泉会下北沢病院 糖尿病センター長
富田益臣