Question

レジオネラ菌感染の可能性。もし発症したら?

先日訪れた場所でレジオネラ菌が検出されました。マスクなどはしていたものの、感染の不安もあります。もし発熱の症状などが出た場合、近所の医療機関でも検査はできますか? 菌が体内に入った場合、発症を防ぐ方法はありますか?

女性/20代

2023/05/18

Answer

レジオネラ属菌は50種以上の菌種があり、もともと土壌や水環境に普通に存在する菌です。レジオネラ感染症は人工水環境(循環器式浴槽、冷却塔、給湯施設など)の水の菌がしぶきなどのエアロゾルとともに飛散し、それを吸入することで感染します。


しかし、病原体に曝露(ばくろ)された誰もが発症するわけではなく、細胞性免疫能が低下した人が肺炎を発症しやすいといわれています。ほとんどの患者さんは50代以上で、糖尿病や慢性肺疾患、腎障害がある人、免疫抑制剤使用者、臓器移植後など易感染者に多いようです。


レジオネラ感染症はレジオネラ肺炎とポンティアック熱に分類され、レジオネラ肺炎の潜伏期間は2~10日ほど、ポンティアック熱の潜伏期間は1~2日ほどととされています。


レジオネラ肺炎の症状は、全身の倦怠感、頭痛、筋肉痛などに始まり、乾いたせき、たん、高熱、悪寒、胸痛が現れます。加えて、腹痛や下痢などの消化器症状、傾眠、四肢のふるえなど中枢神経系の症状があるのも特徴です。

ポンティアック熱の主症状は発熱で、全身倦怠感、悪寒、頭痛、筋肉痛などを伴います。ただし、肺炎症状はなく2~5日程度で自然治癒します。


レジオネラ感染症の検査は、抗原検査、抗体検査、鏡検・培養検査、遺伝子検査などがあります。特に、尿中抗原のキットによる検出は、特異性が高く簡便迅速なため、一般に普及しています。また、喀痰中の菌の遺伝子を検出する迅速診断・LAMP法は保険適用となっています。そのため、一般のクリニックや診療所でも検査が可能と思われますが、受診する場合は必ず事前に問い合わせましょう。


レジオネラ菌が体内に入ってしまった場合、発症しないように何か対策できるかについては、前述のとおり、レジオネラ属菌に曝露された誰もが発症するわけではありません。そのため、予防投薬などの治療はしていないようです。症状に注意し、発熱や全身の倦怠感などの症状がある場合は、早急に受診しましょう。

回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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