がん治療に伴う生活情報

最終編集日:2022/1/28

誰もがなる可能性のある「がん」。副作用を「我慢する」時代から「コントロールする」時代へ


一生の間に、がんに罹患する確率は、男性が65.0%、女性は50.2%。男女ともに国民の2人に1人が、がんになる時代です
また、がん医療の飛躍的な発展や患者数の増大によって、がんは少数の人がなる病気ではなく、今や生活習慣病と同じような「慢性疾患」と捉える考え方も広まっています。
実際に多くの患者さんが、日常生活(仕事や家事、子育てなど)を続けながら、さまざまな治療を行っています。
とはいえ、がんの治療には副作用が伴います。その副作用も「いつごろ、どの程度、どのような」症状が出るのかは千差万別です。
数ある副作用の中でも、特に患者さんにストレスを与えるのが、脱毛をはじめとした「外見の変化」です。最近は、外見の変化を積極的にコントロールして、患者さんの不安や悩みを支援する取り組みが広まっています。
こうした外見のケアは「外見の変化で、今まで通りの生活が送りにくくなった」ときに必要です。
美しくなることを目的としているわけではないので、女性だけでなく、男性もぜひ正しい知識をもち、必要であれば試してみてはいかがでしょうか。
なお、外見のケアが必要か、どの程度必要なのかは、人によって異なります。女性男性に限らず、必要な人はケアをしたほうがよく、もちろん行わなくても構いません。
がんは誰もがなる可能性がある病気です。
がん治療による副作用で起こる外見の変化を恥ずかしく思ったり、落ち込んだりする必要はありません。必要なケアを上手にとり入れながら、快適な毎日を過ごせるよう、工夫していきましょう。


がんとともに「いつもの自分らしく」生きる


がんは手術や治療が終わればそれで終わり、という病気ではありません。
さまざまな副作用や再発・転移の不安など、長きにわたって、つき合っていかなくてはならない病気です。
そのため「がんが完全に治って元気になったら、○○をしよう」と目標を掲げると、なかなか達成できずに、ストレスをためることになりがちです。
また、がんの治療中であっても、したいことは我慢せず、挑戦してみましょう。
「がんだからしてはいけない」と、思い込んではいけません。
医師から禁止されていること以外は、がんを患う前と同じように、いやそれ以上に楽しんでよいのです。
もっとも大切なのは「いつもの自分らしく」生きることです。自分にとって大切なもの、失いたくないものは何か。したくても我慢していることはないか。一度、心に問いかけてみてください。
そして、がんとともに、自分らしい人生を思う存分、楽しみましょう。


※国立がん研究センター がん情報サービス 最新がん統計

監修

がん研有明病院,健診センター検診部部長,リンパケア室長

宇津木久仁子

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