Question

がんの陽子線治療とは?副作用はある?

80代の父親が、前立腺がんと診断されました。手術を受けた場合、年齢的にも身体的にも負担が大きいため、主治医から陽子線治療をすすめられました。陽子線治療とはどんな治療でしょうか?副作用なども心配です。

男性/50代

2024/11/25

Answer

陽子は水素という最も軽い元素の原子核で、それを加速したものが陽子線です。この陽子線を治療に使うのが陽子線治療で、病巣のみに効率よく線量を集中できる特徴があります。

病巣の近くでエネルギーの大半を放出してしまうため、病巣の後ろには陽子線があたらず、正常組織への影響を低く抑えることが可能とされています。


一般的に、陽子線治療を受ける場合は、からだへの負担が少ないため通院も可能です。通常、週に4~5日間、外来にて照射します。期間は部位により違いますが、治療期間が長い人で約2カ月間かかることもあります。照射回数に個人差はありますが、数回から30回程度まで幅があり、通院の仕方も変わります。


実際に照射する時間は1~2分ですが、からだの位置をmm単位で調整するため、トータルで20~30分程度の時間がかかり、その間、安静にしている必要があります。


副作用については、陽子線の照射で痛みや熱さを感じることはなく、X線に比べ軽いことが多いようです。起こり得る副作用は、照射部位により違います。たとえば、皮膚の粘膜を照射した場合には炎症を起こし一時的にヒリヒリとして熱感を生じる、口の中の場合は口内炎を起こすことがあるなどです。


陽子線治療は、実施施設が限られていますし、すべてのがんで適応になるわけではありません。主治医から陽子線治療施設に紹介してもらい、紹介先の施設で担当医師が適応になると判断した場合に、治療を受けることになります。


また、陽子線治療は保険適用されるものもありますが、部位やがんの大きさ、転移の有無などの条件によって異なります。費用とともに、保険適用について、事前に医療機関に確認されるとよいでしょう。


お父様のからだの状態や今後の治療方針について、納得がいくまで主治医に相談されることをおすすめします。


回答者

保健同人フロンティアメディカルチーム

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