希少がんと言われたら?
60代の父が大学病院で検査を受け、耳鼻科領域の希少がんと診断されました。珍しいがんであるため、さらに詳しい検査をして治療方針を決めましょうと医師から言われています。症例数の多い、がん専門病院などへの転院を考えてはと周囲から言われているものの、突然のことで決心がつきません。相談先などがあれば教えてください。
男性/30代
2023/10/25
がんは、からだをつくる細胞から発生するもので、からだのあらゆるところにできる可能性があります。胃・肺がんなど、患者数の多いがんがある一方、まれにしかできないものもあり、患者数が少なく、まれながんを「希少がん」といいます。このような希少がんの場合は、がん専門病院や大学病院などの専門性の高い病院で診断・治療を受けることが原則です。お父様は今後、詳しい検査をするということで検査結果によっては、そのまま治療が継続できる可能性もあります。主治医とよく相談のうえ検討してください。
治療方針が決まった後、主治医から提示された治療方針でよいのか迷う、あるいは別の医師の意見も聞いて納得して治療に臨みたいなどの場合には、他の医療施設の「セカンドオピニオン外来」を利用するといいでしょう。
セカンドオピニオン外来は、がんセンターや大学病院などに開設されています。セカンドオピニオン医は、診断を受けた病院での検査結果や主治医の治療方針をもとに意見を述べます。セカンドオピニオン外来では検査や診察は行われません。また、健康保険適用外で自費診療になり、料金は医療機関により異なります。事前にセカンドオピニオンを受けたい病院のサイトなどで調べておきましょう。
セカンドオピニオンを希望する場合は、まず主治医にセカンドオピニオンを受けたいことを話し、検査結果や画像診断のデータ、紹介状(診療情報提供書)を用意してもらいます。セカンドオピニオン外来受診後は、主治医のもとに戻り、セカンドオピニオン外来医の意見を参考に再度治療法を検討し、主治医のもとで治療を続けることが原則です。転院を希望することもできますが、その際には再度、転院先で最初から検査・診察を受けることになります。
希少がんは情報が少なく、お父様もご家族も不安な気持ちで過ごされているでしょう。国立がん研究センターの希少がんセンターには「希少がんホットライン」という患者さんや家族が電話で相談できる窓口も設置されています。こちらを利用するのもよいかと思います。
回答者
保健同人フロンティアメディカルチーム
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