夫の胃がんが心配で仕事も手につかない

早期発見でき、手術も成功されたのはとても喜ばしいことですが、先のことを考えると不安になってしまうのですね。おかれている状況を考えると、心配になったり不安になったりすることは自然な感情だと思うのですが、仕事も手につかなくなるほどでは、困ってしまうこともあると思います。不安をなくそうとするのではなく、不安とうまく付き合っていけるように、どうすればよいか考えていきましょう。

具体的に考えるとしたら、再発や転移があったとき、何が起きることについて不安なのでしょうか。心配事や不安に感じていることをいったん紙などに書き出してみて、不安の原因について、正しい情報を集めてみてはいかがでしょう。今考えて準備しておいたりすることが可能なものと、そのときになってみないと対処できないものに分けると、気持ちも少し整理できるかもしれません。

また、主治医の意見では、再発や転移が生じる可能性は、現時点ではどのくらいとの見立てなのでしょうか。さらにそのなかで、ご相談者が心配していることが実際に起きる可能性は、どのくらいありそうですか。「こうなるだろう」という自分の考えを「本当にそうか」と批判的に眺めること、違う角度から考えることも大切です。自分1人だけではうまくいかないときは、家族や友人など信頼できる人に相談したり、その人ならどう考えるかと聞いてみるのも役立ちます。主治医にほかの患者さんやその家族がどのようにされているのか、相談することでヒントがもらえる部分もあるでしょう。

不安について整理する一方で、不安なことから離れ、忘れる時間を意識的に確保できるよう工夫をすることも大切です。目の前の仕事や家事に集中したり、趣味などで気分転換をしたり、疲れて何もする気が起きないようなときにはただゆっくり休養することもよいでしょう。ご主人と一緒に過ごす時間、1人きりで好きに過ごす時間など、バランスをとって過ごせるとよいですね。これまでにも同じような心境になったことがあれば、そのときの対処法を思い出し、実践してみてください。

自分なりにいろいろと工夫をしてもうまくいかず、不安でつらい日々が続くようでしたら、1人で我慢しすぎず、カウンセラーや医師などの専門家の力をぜひ借りるようにしてください。