SLE患者のがん治療

SLE（全身性エリテマトーデス）闘病中のがん治療とのことで、大変ご心配のこととお察しいたします。

SLEをはじめ、膠原病の患者さんでは、放射線治療に時に強い反応を起こすことがあるとの報告があるようですが、放射線治療のリスクについては報告によって結果はさまざまで、高いレベルの根拠となるデータはないようです。ただし、SLEを合併した患者は、乳房照射および胸壁照射は慎重に考えたほうがよいとされていますが、具体的な影響や程度に関する確かな情報は残念ながらございませんでした。

乳がんの治療では、部分切除のあとに放射線治療、あるいは薬物療法を行うことがあります。がんの進行度や組織型、病理学的グレード分類、サブタイプ分類に応じた標準治療を基本としながら、本人の希望や生活環境、年齢、全身状態などを考慮し、治療方針を決定します。

放射線治療をしない場合、薬物治療が有効かどうか、主治医に確認することが大切です。

まずは主治医に相談をしてみてください。SLE患者の場合の治療法の選択・効果、そのほかの治療法の可能性、治療後の生活への影響など、疑問や不安に思っていることをたずねてみましょう。あらかじめ、SLEを診てもらっている主治医にも意見を聞いておくといいでしょう。

それでも納得のいく答えが得られず、ほかの医師の意見を聞いてみたい場合には、がん患者を対象にした相談窓口を利用する、セカンドオピニオン外来を利用するなどの方法があります。

相談窓口は、がん診療連携拠点病院など、がん治療を専門に行う医療機関に設けられています。

もし、セカンドオピニオンを受ける場合には、主治医にその旨を伝えて、これまでの検査データや主治医の治療方針などの資料を準備してもらいましょう。

少しでも安心して治療を受けられることをお祈りします。