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肺炎
はいえん

最終編集日:2026/2/19

概要

肺炎は、肺に炎症が起きる病気の総称です。多くは細菌やウイルスなどの「感染」によって起こりますが、薬剤やアレルギー、誤嚥が原因になることもあります。

原因

肺炎は、「どこで感染したか」、「何が原因か」によって大きく分けられます。

●どこで感染したかによる分類

・市中肺炎: 普段の生活の中で感染するもの

・院内肺炎: 別の病気で入院してから48時間以降に発症するもの

・医療・介護関連肺炎: 介護施設や在宅ケアを受けている人に起こるもの


●原因による分類

・細菌性肺炎:肺炎球菌や黄色ブドウ球菌など

・ウイルス性肺炎:インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルスなど

・非定型肺炎:マイコプラズマやレジオネラなど、特殊な細菌によるもの

・その他:カビ(真菌)、誤嚥、自己免疫の異常、薬の副作用など

症状

原因によって症状が異なります。

・細菌性肺炎:38℃以上の高熱、黄色や緑色の痰、せき、倦怠感がみられます。

・ウイルス性肺炎:発熱、全身のだるさ、乾いたせき、息苦しさ、胸の痛みがみられます。

マイコプラズマ肺炎:若い人に多く、熱はあっても比較的元気で痰の出ない「乾いたせき」が長く続きます。

誤嚥性肺炎:高齢者に多い。熱やせきが出にくいこともあり、「なんとなく元気がない」「食欲がない」という変化に注意が必要です。

・間質性肺炎:肺が硬くなる病気。動いたときの息切れや、乾いたせきが特徴です。

検査・診断

「肺炎かどうか」と「原因は何か」を調べるために以下のような検査を行います。

・画像検査(X線・CT):肺に影がないかを確認します。

・血液検査:体内の炎症の強さを測ります。

・微生物検査:痰や尿を調べ、原因となっている菌を特定します。

・重症度判定:年齢や血圧、意識状態などから、入院が必要かどうかを総合的に判断します。

治療

原因菌に合わせた適切な治療を行うことが重要です。

薬物療法の場合、細菌には「抗菌薬(抗生物質)」を使用し、ウイルスには必要に応じて「抗ウイルス薬」を使います。

対症療法では熱を下げる薬やせきを鎮める薬を併用します。

療養の基本として、安静、保温、水分補給が欠かせません。


注意点として、抗菌薬の投与を開始して3日程度経っても症状が改善しない場合は、原因が細菌ではない(アレルギーや自己免疫疾患など)可能性を考慮し、専門医による再評価が必要になることがあります。

セルフケア

病後

肺炎は、体の抵抗力(免疫力)が落ちているときに発症しやすくなります。再発を防ぐために以下のような対策をとりましょう。

・生活習慣の改善:過労や睡眠不足を避け、バランスの良い食事を心がけましょう。

・口腔ケア:口の中を清潔に保つことは、誤嚥性肺炎の予防に非常に有効です。

・ワクチン接種:インフルエンザや肺炎球菌のワクチンは重症化を防ぐ助けになります。

・感染対策:マイコプラズマなどは飛沫により感染するため、家族に症状がある場合はマスクの着用や手洗いを徹底しましょう。


●肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンは、命にかかわる重い肺炎や敗血症・髄膜炎などの合併症を防ぐ重要なワクチンです。特に高齢者やCOPDなど肺の病気がある人は重症化しやすく、接種が強く推奨されます。

肺炎の原因となる病原体は多様ですが、その中でも重症化のリスクが高く、重要な原因菌として位置づけられているのが「肺炎球菌」です。最近は、治療薬に耐性を持つ菌が増えており、予防が最大の治療とも言われています。

ワクチン接種が推奨されるのは①65歳以上の人と、②糖尿病・心臓病・喘息など持病がある人、喫煙者や免疫力が低い人などです。

市区町村によって助成制度は異なりますが、定期接種は65歳の人と、60~64歳で特定の基礎疾患を有する人が対象となります。

現在おもに使われるワクチンは「23価ワクチン」と「20価ワクチン」「21価ワクチン」の3種類で、2026年4月からは20価(定期接種)ないしは21価ワクチンを原則1回接種します。

副反応はインフルエンザワクチンと同程度で、数日以内に治まることが多く、重症化予防としてのメリットが大きいワクチンです。

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監修

千葉大学病院 呼吸器内科 特任教授

巽浩一郎