子宮内膜増殖症しきゅうないまくぞうしょくしょう
最終編集日:2022/1/11
概要
子宮の内側にある子宮内膜組織は、月経のたびにはがれ落ちて体外へ流出します。ところが、この子宮内膜組織が過剰に増殖し、分厚くなっていつまでも子宮内にとどまってしまうことがあります。これが子宮内膜増殖症です。
40代以降の女性に多く発症します。内膜の細胞に異型がある場合には悪性化し、子宮体がんへ移行する可能性があります。
原因
子宮内膜組織の増殖はエストロゲンという女性ホルモンの働きが過剰になることによって起こり、エストロゲンの作用が過剰になる要因には、月経不順や無排卵、黄体機能保全、多嚢胞性卵巣症候群などがあります。
肥満や糖尿病、ストレスなども子宮内膜増殖症のリスク因子になるといわれています。
症状
過剰な月経血、月経痛、不正出血、月経不順などがあります。月経血のなかにかたまりがみられることもあります。
いずれかの症状があればすぐ婦人科を受診することが大切です。
検査・診断
経腟超音波検査や細胞診、組織診を行い、子宮内膜の細胞・組織が増殖しているかどうかを確認します。増殖があれば診断が確定します。
治療
子宮内膜増殖症は異型のないタイプとあるタイプに二分されます。異型のないタイプの60~80%は自然治癒が望めるため、経過観察となります。一定の期間を経ても治癒しない場合には、ホルモン剤(MPA・酢酸メドロキシプロゲステロン)を使用して治療を行います。
異型がある場合には、子宮体がんの進行の有無を確認するため、子宮の内膜全体をかき出す子宮内膜全面掻爬(そうは)を行います。
異型のある子宮内膜増殖症では、細胞のがん化を防ぐため子宮全摘手術が第一に検討されます。ただし、妊娠を希望する場合は、ホルモン療法や定期的な子宮内膜全面掻爬などが選択される場合もあります。
セルフケア
予防
不正出血や月経過多がつづく場合には婦人科を受診しましょう。また、過剰なストレスはホルモンバランスの崩れを招きます。自分なりのストレス解消法をみつけ、ストレスをため込まないように気をつけましょう。
監修
Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科
秋野なな
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