子宮脱
しきゅうだつ

最終編集日:2022/3/30

概要

骨盤底の筋肉と靱帯が伸びて子宮が本来の位置より下がり、腟のほうへ下垂した状態を子宮脱といいます。ひどくなると腟外へ出てしまった状態になります。

骨盤内にあるほかの臓器も同様に、下がったり出てしまったりすることがあり、総称して骨盤臓器脱、または性器脱と呼ばれています。骨盤臓器脱には子宮脱以外に、膀胱脱(瘤)、直腸脱(瘤)などがあり、単独で発症することもあれば合併して起こることもあります。

原因

子宮をはじめとする骨盤内の臓器が力んだりしても正常な位置にとどまっていられるのは、骨盤底の筋肉や靭帯のおかげです。その骨盤底の筋肉や靭帯が、妊娠や出産、加齢などによって弱まったり傷ついたりすると、臓器を支えられなくなって子宮脱をひき起こします。このため、中高年の女性に多くみられ、分娩回数が多いほど発症のリスクは高くなります。

症状

股に何かが挟まっているような感覚があったり、おなかに力を入れたときに違和感を覚えたりするほか、頻尿や尿もれなどがみられます。

進行すると、腟から突き出た子宮が下着などに擦れておりものが増えたり、性器出血や子宮内の感染症を起こしたりすることがあります。

(左)正常な子宮と(右)子宮脱
(左)正常な子宮と(右)子宮脱

検査・診断

視診と内診で診断します。進行の度合いによっては超音波検査、CT検査、MRI検査を実施することもあります。膀胱瘤など多臓器下垂も併発していることも多いため、女性泌尿器科など専門の医療機関を受診することをおすすめします。

治療

完治を目指す場合には手術を行います。高齢や合併症などにより手術ができない場合は、腟内にペッサリーというドーナツ状のリングを挿入し、下降した臓器を押し上げて支えます。

ただしペッサリーは長期に使用するとリングが腟壁にあたることで赤くなったり、感染症を起こしたりする可能性もあるため、子宮脱の状態の評価とあわせ定期的な交換が必要になります。

手術を行う場合は、子宮全摘出手術、子宮や膀胱を支える筋膜や靱帯を補強するための人工メッシュテープを入れるミニマルメッシュ経腟手術、人工物を入れないで臓器脱を修復する骨盤臓器脱修復手術などが行われます。

セルフケア

予防

骨盤周りの筋肉や靱帯の衰えを防ぐため、定期的な運動を行うようにしましょう。骨盤周りの筋肉を鍛えるための骨盤底筋体操は、初期の臓器脱を改善させる効果があります。心配な症状がある場合には専門の医療機関を受診し、指導を受けることをおすすめします。

監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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