機能性子宮出血
きのうせいしきゅうしゅっけつ

最終編集日:2022/3/29

概要

月経以外の不正出血のなかで、子宮や卵巣、腟などに病的な変化が起きていないものを機能性子宮出血(機能性不正出血)と呼びます。一方、子宮筋腫や子宮頸がん・子宮体がん、ポリープなど、病的な原因疾患があって出血を起こすものを器質性出血と呼びます。

機能性子宮出血はホルモンバランスが崩れて起こるものがほとんどです。そのほか、まれに出血しやすく、血液や肝臓の疾患が原因のものもあります。その場合は、出血を起こす全身性の基礎疾患が存在しています。


原因

月経が起こるしくみには、脳の視床下部や脳下垂体から分泌される、性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、卵巣から分泌されるエストロゲン、プロゲステロンなどがかかわり、連携してバランスをとりながら機能しています。このどれかの働きが低下したり、連携がうまくいかなかったりするとホルモンバランスが崩れ、月経以外の出血を起こすことがあります。

機能性子宮出血は大きく次の2つに分けられます。


●排卵性子宮出血

排卵は起きており、排卵期や黄体期に出血をみることが多い。エストロゲンやプロゲステロンの分泌不足で起こる。出血量が少なく、短期間で治まる傾向がある。20~30代の性成熟期によくみられる。

●無排卵性子宮出血

プロゲステロンの分泌が少なく、エストロゲン過剰となって起こる出血で、排卵が起きていない。出血量が比較的多く、だらだらとつづくのが特徴。性成熟期前の思春期や、更年期に好発する。



症状

月経以外に出血があります。出血は不規則に起こり、数日で終わるものもあれば、だらだらとつづくものもあります。個人差があり、出血量もさまざまです。

随伴症状は多くありませんが、出血の量や期間によっては貧血をひき起こし、ふらつき、立ちくらみ、めまいなどが起こることもあります。


検査・診断

検査は、問診、視診、内診、尿・血液検査、画像検査、子宮頸がんや子宮体がん検査などが行われます。

問診では、妊娠の可能性、月経周期や出血の期間・量、月経痛の強さ、月経困難症の有無などをくわしく聞き取ります。尿検査や血液検査では、出血による貧血の有無・程度、LH、FSH、プロラクチン、プロゲステロンなどのホルモン値、絨毛性疾患の有無などが調べられます。経腟超音波検査では子宮や卵巣などの状態を確認します。

診断では子宮頸がんや子宮体がん、ポリープなどからの器質的な出血、あるいは消化管や泌尿器系からの出血を鑑別し、服用している薬を確認することも重要です。妊娠や器質的な出血がすべて否定されて初めて、機能性子宮出血と診断されます。



治療

出血量が少なく数日で治まるようであれば、経過をみます。とくに排卵期に出血する排卵性出血では、積極的な治療を必要としないケースがほとんどです。

治療の中心はホルモン療法です。

無排卵性出血の場合は、黄体ホルモン、あるいは黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合薬を投与します。

排卵性出血で黄体期に出血する場合は黄体ホルモンを投与します。ホルモン療法によって出血は改善されますが、出血量が多い場合には止血剤を用いることもあります。貧血の症状が強い場合には鉄剤を併用します。


セルフケア

予防

月経以外の出血が続く、あるいはくり返すようなら、他疾患の有無を確認するためにも婦人科を受診しましょう。とくに40代後半から患者数が増加する子宮体がんは、初期の段階から不正出血を起こすことが多いため、月経以外の出血があれば放置しないことが大切です。

監修

Raffles Medical Clinic Hanoi 婦人科

秋野なな

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