不整脈
ふせいみゃく

最終編集日:2025/12/26

概要

不整脈は、心臓の拍動をつかさどる電気信号の流れが乱れたり、遅くなったり、速くなったりして、脈拍が正常でないタイミングで起きるようになった状態のことです。不整脈には、脈が速くなる頻脈、脈が遅くなる徐脈、不規則なタイミングで脈が生じるものがあります。不整脈の中には放置しても問題のないものがある一方で、突然死の原因となるなど命にかかわるものもあるため、自身の不整脈が治療を必要とするかどうか、正確な診断を受けることが重要です。

原因

不整脈は、心臓の一部分から異常な興奮が生じたり、電気の流れが障害されたり、心臓内に別の電気伝導路が存在するなど、心臓の拍動をつかさどる電気の伝導系がうまく機能しなくなることで発生します。不整脈の多くは、心臓に病気がなくても起こります。狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患や心臓弁膜症などが原因で電気伝導路に異常が生じる場合もあり、先天的な遺伝子異常や電解質異常、老化によって生じることもあります。また、心臓病治療薬の副作用、かぜや脱水などの全身状態の悪化、自律神経の異常によって生じる場合もあります。

症状

一般的に「不整脈」と表現されるものは、一瞬ドキっとする感覚が多く、これは期外収縮の可能性が高い不整脈です。ほかに、運動直後の動悸が続く頻脈性の不整脈や、動悸感がなく、気が遠くなる感じや失神が症状となる場合もあります。

頻脈性不整脈のひとつである発作性頻拍症では、突然心拍が速くなり、しばらく続いて突然停止する、その途中で急に動悸、ふらつき、めまい、失神などの症状が起こります。

徐脈性不整脈には洞不全症候群、房室ブロックなどがあり、脈が極端に遅くなったり、心臓が数秒間止まったりすることで脳虚血症状が現れます。脳への血流が不足して、倦怠感、ふらつき、めまい、失神などを起こすこともあり、息切れや呼吸困難などが起きることもあります。

脈のリズムが乱れるタイプには期外収縮、心房細動などがあり、不整脈のなかでもっとも多いのは期外収縮とされています。

検査・診断

不整脈は、症状から推測することはできても正確な診断はできません。正しい診断がつかないと治療することができないため、発作時の心電図を捉えることが第一歩です。そのため、発作時に医療機関で心電図を記録してもらうことが大切です。しかし、数秒の発作やたまにしか起きない場合は、発作の心電図を捉えることはむずかしく、この場合はホルター心電図と呼ばれる、自宅で数日にわたって記録できる心電図検査を行います。失神など重症な不整脈を疑う場合は、植込みタイプの心電計(5㎝ほどの鉛筆サイズで数年記録可能)を用いることもあります。最近ではスマートウォッチなどの携帯型機器もあるため、参考になります。

また、原因や合併症などを調べるため、心エコー検査(心機能評価や心房内血栓評価など)、血液検査(カリウムなどの電解質異常、甲状腺ホルモンなど)、胸部X線検査などが行われます。

治療

不整脈のタイプによって治療の必要性や方法が大きく異なります。治療が必要かどうかは、自覚症状の程度によって異なります。治療が不要な不整脈も多くありますが、症状がなくても、命にかかわる不整脈や脳梗塞予防のために治療を行う場合もあります。

おもな治療法として、薬物療法、カテーテルによるアブレーション治療、ペースメーカーや植込み型除細動器といった機器を用いるなどの治療方法があります。

セルフケア

予防

不整脈を生じないようにするには、睡眠不足、疲労、ストレス、飲酒を避けることが重要です。

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監修

神奈川県立循環器呼吸器病センター副院長 循環器内科

福井和樹